実は2度目「キムタク演じる信長」1作目も凄かった 20代で主演した1作目はどう信長を演じたのか

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信長のことを織田家で買っていたのは、父・信秀(演・夏八木勲さん)と傅役の平手政秀。平手を演じるのは、小林稔侍さんですが、小林さんは、渋くて、いい味を出しています。信長の才能を見抜き、惚れる平手を重厚な演技で見せてくれます。

さて、信長の母・土田御前は「野蛮」な信長を嫌い、端正で柔和な弟・信行(演・筒井道隆さん)を次期当主にしたいと画策。そのためには「手段は選ばぬ」と言い放つ土田御前の怖さ、冷酷さを、いしだあゆみさんが、その発する言葉によって、よく演じられていました。その迫力は「怖っ」と身震いするほどです。

ドラマでは、信秀が突然死しますが、それは土田御前が夫の毒殺を命じたように描写されています。土田御前による毒殺を疑い、父は戦場で死にたかったはずだと、信秀の遺体を前にして畳に刀を突き立てる信長。木村さんの目力が印象的でした。

「うつけ」行為を繰り返す信長をいさめるため、平手政秀も信長を残し、自害してしまいます。平手の死を「裏切りだ」と怒り、悲しむ信長。「死んだらおしまいだ、死んだら何も変わらない」という信長のせりふが心に迫ります(このドラマには「自分を知ってしまったら先に行けない」など名言、考えさせられるせりふがたびたび、登場します)。

キムタク信長「絶対、天下を獲ってやる」

そして、信長と斎藤道三の対面シーンがやって来ます。後半の見せ場というべきでしょう。奇抜な格好で馬に乗りやって来た信長でしたが、大勢の長槍隊・300人の鉄砲部隊を引き連れていました。それを見て、道三は驚嘆。改めて、信長の非凡さを認識するのでした。対面の際、信長は奇抜な衣装を脱ぎ捨て、正装していました。ここもまた、カッコいいシーンです。

道三との対面を果たした直後、弟・信行が母に焚き付けられて、兄・信長に対し、挙兵。が、信長軍の奮戦により、信行軍を破ります。謝罪に訪れる信行たち。向き合う兄弟。骨肉の争いが、どのような結末に終わるのか、ぜひ、ドラマを見てほしいと思います。

最後に信長は「俺は天下獲るぞ、絶対、天下獲ってやる」と言い放つのですが、これは、木村さんの心の声ではと勝手に解釈してしまいました。すでに『ロングバケーション』(フジテレビ系・1996年)などのドラマ出演で、不動の人気を勝ちえていた木村さんではありますが、さらに高みを目指してやるとの意気込みもあったはずです。

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