メールを「結論から書く」残念な人に欠けた視点 なぜ要件よりも「余談」がよっぽど大事なのか

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先日のインタビューでは、ご調整いただきまして、ありがとうございました。
共通の知り合いが多くて、なんだか嬉しくなりました。
自分がいたテレ東でもそうですし、今回の連載企画で各局の看板番組のチーフプロデューサーの方々とお話するたびに思うのは「製作者として卓越しているのと同時に、チームリーダーとしても懐が深いというか、風格を感じさせる方々ばかりだな」ということです。
「製作現場によくいる、ややこしいやつ」だった私は仮にテレ東に残っていたとしても、そうした立場になれないことは確実だったかなと改めて思います。
さて、余談が多くなってしまいましたが……、記事に掲載する、番組の宣伝用写真をいただけないでしょうか。
お忙しいところ、お手数をおかけし、恐れ入ります。
引き続き、よろしくお願いします!

要件そのものは「雑誌記事で使う宣伝用の写真を送って欲しい」ということだけです。簡潔に書けば、要件自体は1行で終わります。

先日はありがとうございました。
記事に掲載する、番組の宣伝用写真をいただけないでしょうか。
お忙しいところお手数をおかけし、恐れ入ります。
何卒、よろしくお願いします。

このようなメールでも、要件自体は素早く伝えられます。ですが、相手との関係性は決して深まりません。

一方で私が実際に送信したメールでは、要件よりも「余談」のほうがむしろ長いくらいです。「余談」は「テレビ業界で共通の知人が多い」ことから始まり、私の会社員時代の「至らなかった点」の打ち明け話にまで至ります。決して順風満帆ではなかった自分の会社員時代を伝えることで、相手との距離が縮まることを期待して書いています。前述の「人生共感ストーリー」の縮小版を盛り込んだともいえそうです。

ただし、注意しなくてはいけない点もあります。それは、相手を見ないといけないということ。先ほどのメールの実例では、実際に相手に1回会っています。そこで「くだけた表現のメール」を受け入れてくれそうな方であることを確認したうえで、出しているということなのです。相手の属する業界の特性上、あるいは性格上、無駄のない、合理的な表現を極端に好む人たちも存在します。そういう方々には、余計なことは書かずに「簡潔に」「結論だけ」記すべきです。何事も相手次第なのです。

1メールには1回答で収める

同じ相手にメールで、複数の要件を伝えなくてはいけないことがあります。そんなときは、ひとつのメールに複数の要件を書くべきでしょうか。それとも、メール1通につき、ひとつの要件とするべきでしょうか。

複数の要件に強い関連性がない限り、私はメールを分けるようにしています。

ひとつは、メールを分けたほうが相手が返信しやすいからです。複数の要件をひとつのメールに書くと、返信する側もひとつのメールで全て回答しなくてはなりません。当然、ひとつの要件に回答するよりも負担が増します。その分、回答が遅れてしまうかもしれません。

もうひとつの理由は、何回かメールをやりとりをしたほうが、相手と親しくなりやすいことです。

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