服を畳まない子に畳むことを習慣化させる場合、脱ぎっぱなしの服を親が見て、「きちっと畳みなさい!」と言われ、畳むという行為に移ります。これに「文脈」を作るとこうなります。「もう一度服を着させて、脱ぐところからやり直しをさせ、脱いだらすぐに畳むという一連の行動をさせる」のです。
もう一度服を着るという無駄な行為は、子どもにとっては非常に面倒くさいことです。しっかりやらないと面倒くさいことになるということを経験させ、そして行動に「文脈」を作ると、考えずとも行動が自動化(習慣化)されていきます。
あらためて整理しますと、A→B→Cという流れがあったとき、Bだけを指摘しても、駄目ということです。Aの次にBが行われるというように無意識のうちに行動に移ることができるようにして初めて、効果が現れるのです。このことがわかってくると、習慣化はそれほど難しくなくできるようになります。
できない子に共通する3つの生活習慣
さて、「文脈」を作って習慣化につなげる方法についてお話してきましたが、そもそも整理整頓がなぜ学力向上につながるのかという点について、触れておきましょう。
私が子どもたちを指導していて、気づいた「できない子に共通する3つの生活習慣(あいさつ、時間を守る、整理整頓)」というものがあります。その中の整理整頓は、塾で指導していたときに、ふとしたことから気づいたのです。ある男子生徒のカバンの中を見たときに、配布したプリント類が無造作に入っていたのです。しかもまとまりもなく、いわゆる“ぐちゃぐちゃ”な状態です。
さらに、学校で配布されたプリントも同様に整理していないということがわかりました。そしてこの子は、ノートの取り方も美しくはありませんでした。当然、この子はテストでは点数がとれません。テスト前は授業中に配布されたプリントが、テスト勉強のための重要な資料となりますが、一部欠けていると十分な勉強ができないからです。
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