次に②についてですが、整理整頓された環境では、おのずと美的感覚が養成されます。いつも汚いものを見ているのと、きれいなものを見ているのとでは、明らかにその後の感覚が変わります。
実際に子どもたちに整理整頓の指導をした後で、面白い現象が出てきました。音楽、美術、技家、体育といった実技系の科目が伸びだしたのです。
整理整頓によって美的感覚が育まれると、自然とリズム感覚やバランス感覚が生まれてきます。実技系の科目はまさにこのリズム感覚、バランス感覚そのものです。非常に面白い現象だと思いました。
最後に③の「取捨選択の眼力がつく」についてです。まず、情報を整理すると、いらないものが明らかになります。たとえば、部屋を片付けると必ずゴミ袋いっぱいのゴミが出てきます。ということは不要なものが整理整頓によって浮き彫りになったということです。
勉強でも、すべての知識が等しく重要であるわけではありません。最重要事項、そこそこ重要な事項から、時間があれば習得すべき事柄といったように、優先順位が決まっています。優先順位が低い事柄までを、始めからすべて覚えていくと非常に非効率的です。ですから情報を整理することで不要なもの(または優先度の低いもの)を見極め、それを後回しにするという整頓が必要なのです。
就学時前こそ整理整頓の習慣化を
このように、単純な整理整頓という行為が、これだけ深い意味があり、しかも意識しない間に勉強に役立っていると考えると、バカにできません。親がまずは整理整頓する習慣を子どもと一緒につけていくといいでしょう。
これは子どもが就学時前こそやるべきです。おもちゃなどは遊んだら必ずしまい、寝る前はきれいな状態にするといったことを、習慣化させるのです。習慣化されれば、それが“当たり前”になります。これが今後、勉強ができるようになる子を育てる基盤作りとなっていくのです。
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