「言っても聞かない子」を根本から変える方法 問題の部分だけ指摘せず「流れ」を変えよ

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勉強のときだけ整理整頓ができるというのは、なかなか難しいことです。日常がだらしないのに、勉強のときだけ、テスト前のときだけ、整理能力が上がるということはありえません。

場当たり的に指摘しても直らない

そこで、整理整頓は日常から習慣化させる必要があるのですが、長島さんのご質問にありますように、「どうやって習慣化させればいいかわからない」ということでお悩みの方は少なくないでしょう。「繰り返し言っているうちに、習慣化するんだよ」というのが一般的な語り口ですが、それでも習慣化されないなら、どうしたらいいでしょう。

やはりここがいちばんの問題ですね。言ってすぐやるようになれば、誰も苦労しませんが、習慣化には方法があるのです。その方法を知らないと、いつまでも苦労することになります。次の例は、私が講演会などでよくお話する「習慣化のための方法」の一例です。

たとえば、「家に帰ってきて、子どもが靴をそろえない。そのため、毎度、靴をそろえなさいと言わなければならない。いったい、いつまで言い続ければいいのか」という場合、どのように対応しますか。

習慣化の問題は、場当たり的に指摘しても直りません。そうではなくて、「文脈」を作るのです。具体的にいうと、「もう一度、靴を履かせて、玄関の外へ出て、『ただいま』からやり直し」をさせるのです。これが「文脈」です。何事も、その場面だけを指摘しても解決しません。その前の状態から一連の“流れ”を作って正していくのです。

このように習慣化には「コツ」があります。それを知らずに毎日ガミガミ言っても、「『靴をそろえなさい』と言われたらそろえる」という行動パターンが習慣化(皮肉にも、この言われたら初めてやるパターンの習慣化に成功している)されるだけです。

玄関からやり直すなんて、子どもも嫌々でしょう。しかし、繰り返すうちに、言われなくともやるようになることに、きっと驚かれることでしょう。

「文脈」を作ることについて、別の例でも見てみましょう。

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