TikTok「ただのエンタメツール」と見る人の誤解 ビジネス活用の舞台が意外にも広がっている

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今まで、YouTubeなどを代表とする動画サービスに関しては「広告費を稼ぐ媒体」というイメージが強かったのですが、今や動画サービスは「売り上げを上げるため」「企業のPRや採用を強化するため」に活用するという流れができてきています。

「企業がTikTokなんて使ってるの?」という印象を持つ方もまだ多いのですが、「ロート製薬」「ドミノ・ピザ」「資生堂」「ANA」など、実はみなさんがご存じのような有名企業も、TikTokを使って集客やブランディング、採用を強化することに成功しています。近年では、TikTokをきっかけとして商品が売れていく「TikTok売れ」という言葉まで生まれました。

情報漏洩に対する警戒も

ドイツの調査会社スタティスタによると、アメリカにおけるTikTokの利用者(2021年時点)は若年層を中心に約8700万人にのぼり、2022年にはさらに1割近い増加を見込んでいます。

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盛り上がりを見せる一方で、TikTokを介した中国政府への情報漏洩に対する警戒も世界的に強まってきています。アメリカの公的機関では、TikTokの利用を禁じる動きが急拡大しています。アメリカでは昨年末、議会上院が、政府関係の端末でのTikTokの利用を禁じる法案を可決。一部の大学では、大学の端末やネットワーク上でTikTokを使用することが禁止されました。

さらに、TikTokの運営会社の社員が、取材を担当している複数の記者の取材源を明らかにするため、記者の位置情報のデータを不正に入手しようとしていたことも明らかになっており、手放しで歓迎できない側面を持っているアプリであることも事実です。

とはいえ、TikTokはもはやオンラインでビジネスを展開していく企業にとっては無視できないほどの影響力を持っています。警戒を強め始めたアメリカ発の規制強化の流れも踏まえつつ、集客・広報・採用・PRを加速させる手段としてTikTok活用の可能性を考えることが、企業経営者や宣伝・マーケティング担当者などに求められていると言えるでしょう。

大原 昌人 ダニエルズアーク代表取締役、元「楽天市場」プロデューサー

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おおはら まさと / Masato Ohara

慶應義塾大学環境情報学部卒業。楽天株式会社に入社。少数精鋭のクリエイティブ部門に配属。楽天の心臓部「購買データ」を自由に分析する権限を得る。楽天市場全体のビジュアルを統括するWebプロデューサー・ディレクターとして、フリマアプリ「ラクマ」や、年間100億円規模の流通を生み出す「6時間タイムセール」など、数々のヒット企画に参画する。2017年からは、国内最大級の流通額を誇る「楽天スーパーSALE」の総合プロデューサーに最年少で就任。2018年、株式会社ダニエルズアークを設立し、代表に就任。「誰でも夢が見られるチャレンジの場を作る」ことを掲げ、全国各地に活躍の場を広げている。

 

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