日本人が「今の仕事で幸せを感じる」のに必要な事 大きな変化を求める人が見逃しているポイント

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――人々は仕事に何を求めるようになったのでしょうか。

エヴァンス:先週、中米のビジネスリーダーたちと話す機会がありました。中米はアメリカより楽観的な文化と言うことができると思いますが、それでも多くの離職者が出ていると。

参加者の1人によると、「1年前はみんなお金のために転職していたが、今はそれだけでは十分ではない。従業員が今求めているのはよりよい労働文化なんです。もっと上司に話を聞いてもらって、自分のやっていることにもっと口を出してもらいたい、と思っているんです」。

この本では、人々がキャリアを築く上での動機づけとなる3つのもの、「自律性(Autonomy)」「関係性(Relatedness)」そして、「有能感(Competency)」に関する調査結果をいくつか紹介しています。

自律性とは自分のやっていることに対してある程度の力を持つこと。関係性は他の人と一緒に働き、チームの一員であること。そして、有能感とは自分がやっていることで能力を発揮することで、仕事においてはこの3つの欲求が満たされることが重要で、人々はまさにこれを求めるようになっているのではないでしょうか。

必要なのは大きな変化でなく、小さな変化

日本企業で自律的に働くことは、欧米企業ほど簡単ではないと思いますが、それでも今の仕事を自分で「再設計」することはできます。例えば、新たなことを学んだり、ランチの時間に誰かに何かを教えたり、同僚を助けたりといった「小さな変化」を起こすことは可能です。自分で何かを決めて、それを遂行することによって、より自律的で、より自己承認ができる人になれると思います。

多くの若者は「大きな変化」を望みますが、必要なのは「小さな変化」なんです。例えば、昼食時間中にZoomで同僚にリンクトインの使い方を教えるだけでも、続ければあなたが思っている以上のリターンがあるはずです。

バーネット:この本では「グッドワーク日誌」というのを紹介していて、この日記は今日自分は誰を助けて、何を始めたか、といったようなことを記すものです。何を始めたかは、自律することであり、それが学習であれば、有能になることを意味する。また、誰を助けたかは一緒に働いていることとつながり、関係していることを意味します。

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