Facebook、「メッセンジャー開放」の破壊力 速報!開発者会議「F8」で語った新戦略

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ザッカーバーグ氏は、将来のFacebookについての示唆も与えてくれた。「People First」というコンセプトと、「安定した強固なインフラ作り」という大きな方針もまた、2014年から引き継いでいる。

コミュニケーションをより楽しむ上で、表現力の向上が重要だと指摘した。5年前、テキストばかり共有していたことを引き合いに出し、写真、ビデオと急速にその表現力を高めてきた。そこで、ニュースフィードでは360度視点を変えられるビデオをサポートした。

ちなみに2日目の基調講演では、同社が買収した仮想現実体験ができるゴーグル型のデバイスOculusもプレゼンテーションに登場する予定だ。AR・VRといった未来の表現力について「大きな可能性がある」と自信を見せる。

メッセンジャーのプラットホーム化の皮切りとなるアプリ連携は、米国で人気のあるアニメGIFやテキストアニメなど、様々な表現をメッセージに乗せられるようになり、より長い時間メッセンジャーを楽しむ環境が作られるだろう。これも、表現力の向上がユーザーとそのコミュニケーションの魅力を引き出す、という考えに基づいている。

プライバシー問題への取り組みも強調

また、プライバシーでは、Facebookログインでプライバシー情報を送らずに他のサービスを使える機能のアピールや、「ThreatExchange」というセキュリティ上の脅威をマイクロソフト、ピンタレスト、ドロップボックスなどの企業と共有する取り組みにも触れた。

ユーザーは、メッセンジャーを通じて、より軽くFacebookを利用できるようになってきた。これに合わせて、ブラウザを前提としたサービス作りから、モバイル、メッセージを前提としたアプリへと、Facebook本体、あるいは開発者の変化を後押ししている印象だった。

ただ、日本市場から見ると、メッセンジャーの多機能化やビジネス対応、表現力の強化は、LINEの後追いのようにもみえる。規模の違いもあるが、LINEが進む方向性は、モバイルコミュニケーションを核とした新しいソーシャルメディアの姿として、トレンドの中心を進んでいる、と評価できるのではないだろうか。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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