「親しい友人がいない男性」なぜこんなに多いのか 仕事以外のつながりをはぐくみにくい根本理由
ともに43歳のアーロン・カロとマット・リッターは毎年、11月末の感謝祭前の火曜日に、ニューヨーク州プレインビューで小学2年生の時に仲良くなった7人の男たちと夕食に出かける。
その夕食会では、仲間の1人が「マン・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞することになる。これは、彼らが再会を果たすための口実として考え出した、くだらない賞である。彼らは食べて笑い、優勝者は漫画のように大きな銀のカップに自分の名前を刻んで残していく。
男性の人生の成功に友情は含まれない?
「トロフィーが目的ではありません」とカロは言う。カロはリッターと「マン・オブ・ザ・イヤー」というポッドキャストを共同で開設しており、そこで大人の友情について研究している。「これは、私たちを結びつけている伝統についてのものなのです」。
友人たちは、グループチャットの中でミームを共有たり、少しくだらない話をしたりしながら互いの動向を把握して、この賞を争っている。
「男性たちは、人生の成功には必ずしも友情は含まれない、仕事で成功したり、家庭を築いたりすれば勝ちなんだ、と思い込んでいるのではないでしょうか」とリッターは言う。「私たちの定義では、人生の成功のなかにはつねに、発展し続ける友情を持つことを含んでいます」。
リッターの親しい仲間たちはともかく、アメリカの男性は「友情不況」に陥っているようだ。この傾向は新型コロナウイルス感染症によるパンデミック以前からあったが、ここ数年、世界中で孤独のレベルが高まっているように見える。