日本悩ます「エンドレスな円安」にはならない根拠 2023年も円安・物価高は続いてしまうのか

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2023年以降も「円安・物価高」は続くのか(写真:太田清/Bloomberg)
2022年の日本経済は過去に見ない「円安・物価高」に苦しめられた。その根本原因は何だったのか。また、2023年以降もこの傾向は続くのか。本稿では、人気経済評論家・渡邉哲也氏の新著『世界と日本経済大予測2023-24』より、今後の為替の動向と日本への影響について解説する。

そもそも、「物価高」はなぜ起こるか

世界的に物価の上昇が止まらない。その原因から説明しておこう。 

新型コロナウイルス禍が世界的となった2020年初頭から3年弱、経済はその動きを止めていたと言える。日本でも株価は上昇していたものの、自営業者には助成金が支給され、働かずに資金を得られていた。サラリーマンも似たようなもので、リモートワークが盛んに行われたが、実際に会社に出社していたときと比べてどれほど仕事をしていたかはわからない。

仮に半分以下の仕事量だとしても、収入は保障される。新型コロナウイルス禍で経済活動は実質止まったのに収入は減らなかったということは、経済を動かすためにずっと輸血を続けていたようなもの。その結果、通貨量が増えていった。

一般に通貨の価値は、量とリスクで決まる。通貨量が2倍に増えれば、今まで1つの財・サービスに対して1枚しか必要としなかった通貨が2枚必要になる。一見、不具合が生じそうだが、コロナ禍では需要が少ないので通貨を2枚発行しても1枚しか消費されず問題は生じなかった。

ところが経済が動き出すと、大量の人が限られた財・サービスを消費しようとするので、通貨2枚に対し1つの財・サービスしか買えなくなる。これが通貨価値の希釈化による物価高で、逆の言い方をすれば「資源インフレ」だ。

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