おいらせ町民バスは南部バスへの委託だ。ただ、2022年4月1日より大幅な運転系統の整理、廃止が行われ7便の市街地循環線のほかは、1日1往復の北線だけになってしまった。
バスがなくなった地域は、デマンド交通でフォローされるという、どこにでもあるパターンだ。おいらせ町の人口は2万4000人あまりで、近年も減少傾向は見られないのだが、そのような町でも公共交通機関の現状はかくのごとしだ。
15時20分に百石中央に戻り、200円払う。秋の日暮れは早い。三沢案内所行き3本、百石中央行き2本、平日のみ運転の貴重な十鉄バス三沢百石線が16時15分に出る頃には、かなり日が傾く。私1人で発車したが百石高校前で高校生が十数人乗り、その多くが三沢市内まで乗った。
一面の田園地帯を走り、一川目で海岸線近くに出て、集落を縫いつつひたすら北上。三川目で市町境の標識が見え、鹿中で左折。内陸部へ向かう。六ヶ所村方面への乗り継ぎバス停は浜三沢になるが、三沢中央まで乗り通して、この日は終了。百石中央からの運賃は850円にもなった。ただし、三沢駅から三沢空港へかけての一帯には、運賃150円エリアが設定されている。
下北半島の東岸を北へ
三沢市もコミュニティバスを運行しており「みーばす」と愛称が付けられている。十鉄バスの市内路線をコミュニティバスと指定する形で、一見するとふつうの路線バスに見える。もちろん手厚い補助金が出ているはずだ。
次に乗るべきは小川原湖の東側を行く三沢北浜線で、8時30分の追舘(おったて)行きで三沢中央を出発。平日は追舘行き4本、追舘発3本がある。これもみーばすの系統の1つだが、とくに意識しなかった。浜三沢を過ぎ、国道338号へと左折。再び北上する。三沢は米軍の町だが、この路線バスの沿線にも東北防衛局の管理地が広がり、荒涼とした雰囲気になる。淋代(さびしろ)という集落があり、言い得て妙な地名に思える。
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