地方都市の路線バス、乗ってわかった「不便な点」 ICカード共通、でも乗り場が別・八戸下北半島編

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八戸市内のバスの系統番号は系統別ではなく、八戸中心街バスターミナルを基準に方面別に整理されている。大杉平方面は「F」。鮫方面は「M」で大杉平バスセンター発鮫小学校通行きはM20系統。上り下りで異なる。

F1系統は漁港に近い住宅街を走り、日曜日に人気の朝市が開かれる館鼻岸壁の近くも通る。新井田川を渡り、10時10分着の栄町で下車。運賃は220円。ここでラピア方面行きのバスに乗り継ぐのだが、時間があるので、バスターミナルの1つである本八戸駅前に立ち寄った。

本八戸駅の外観
八戸線の本八戸駅(筆者撮影)

八戸市内の路線バスは八戸市営バスのほか、南部バスも多くの系統を受け持っている。郊外とを結ぶ十和田観光電鉄(通称は十鉄バス)も乗り入れてきている。共通のバスマップが発行され、2022年2月26日から八戸圏地域連携ICカード「ハチカ」もサービスを開始し、市営バスと南部バスで使える。

バス会社ごとに乗り場が違う

それはいいが、本八戸駅前でショッピングセンター「ラピア」へバスで向かおうとして面食らった。八戸市営バスと南部バス、さらには十鉄バスの乗り場が方面別ではなく、昔ながらというか、会社ごとに分かれているのである。

特定の会社しか走っていない系統ならいざ知らず。八戸中心街―本八戸駅―ラピアなど、各社入り乱れて運転される区間では、どの乗り場から出るバスが先発先着かわかりづらい。私は時刻検索サイトで調べたうえで、11時30分に南部バスP8系統がやって来たのを見てから、乗り場へ急いだ。

ラピアにもバスターミナルが整備されており、買い物客でにぎわっているが、ここもターミナル内に入ってくるのは南部バスだけ。市営バスの乗り場は公道上だ。なお、南部バスは2017年に民事再生手続を行い、岩手県北バスへ事業譲渡されている。現在は正式には同社の南部支社で、各地で評判のよいみちのりホールディングスの傘下にある。さらに使いやすい路線バスネットワークを目指して、八戸市営バスや十鉄バスと利用者本位の協調路線を取ることを期待している。

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