近鉄奈良線を半世紀支えた「旧生駒トンネル」の今 社運かけ大工事、1914年当時「複線で日本最長」

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近鉄奈良線・旧生駒トンネルの内部
近鉄奈良線の旧生駒トンネル。手作業で積まれたレンガが時代を物語る(記者撮影)
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近鉄奈良線は大阪・奈良両市の中心部をダイレクトにつなぎ、通勤通学と観光の両面で毎日多くの人に利用されている。1914年に近畿日本鉄道の前身が開業させた同社の礎といえる路線だ。その要となったのが旧生駒トンネル。現在は電車が走らないトンネルの内部はどうなっているのか。

普段は立ち入り禁止

奈良線の終点、近鉄奈良駅へは大阪難波発の特急のほか、阪神電気鉄道の神戸三宮から快速急行が乗り入れる。その途中、瓢簞山駅から石切駅までは生駒山地を駆け上がる勾配区間で、眼下に大阪平野の眺めが広がることで知られる。

石切を出ると新生駒トンネルで奈良県に入り生駒駅に到着。駅前には生駒鋼索線(生駒ケーブル)の駅がある。生駒聖天として親しまれる宝山寺や、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で幼少期のヒロイン・岩倉舞が父・浩太と出かけた「生駒山上遊園地」への玄関口だ。

大阪側の旧生駒トンネルの入り口は、新生駒トンネルに入る直前にある石切駅から徒歩数分、住宅地を抜けた場所にひっそりと存在する。近くまで行くことはできるが、扉が閉ざされていて内部は立ち入り禁止となっている。手前には旧孔舎衛坂(くさえざか)駅の2面2線でカーブを描いたホームの跡。同駅も1964年の新生駒トンネルへの切り替えに伴って廃止された。

近鉄奈良線・孔舎衛坂駅跡
孔舎衛坂駅跡と旧生駒トンネルの大阪側入り口(記者撮影)
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