「ゴルフR」最新型に乗ってわかった凄まじい実力 俊敏さと上質な乗り心地を両立するスポーツカー

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太めのグリップを持つ小径ステアリングホイールを通じて、路面の状況が手にとるようにわかる。私は、ポルシェ911を連想してしまったほどだ。

ステアリングホイールの左側には親指で押せる「R」ボタンが備わる。ワンプッシュでドライブモードの「レース」モードが呼び出せるモードだ。

立体的なグリップ形状の専用小径ステアリングホイールにはワンプッシュで「レース」モードに入る「R」ボタンが備わる(筆者撮影)

もちろん「コンフォート」モードとか「スポーツ」モードでもかなり楽しめるのだが、「レース」モードは、最もエンジントルクが太い回転域をすぐに使える。

さらに電子制御ダンパーがさらに締まって、ステアリングホイールの操舵感も重厚になる。すばらしく楽しいモードで、私は、小さなカーブが連続する道でのドライブを楽しませてもらった。

「レース」モードはかなり楽しいが、ほかのモードもよい(筆者撮影)

小さな腕の動きだけで、路面に張り付いたようなコーナリングができる。7段ツインクラッチのギアが落ちるときは、シフトダウン時に回転合わせをするように、ボンッと乾いたブリッピング音が入る演出つきだ。

見かけはハッチバックだが立派なスポーツカー

ゴルフRは、立派なスポーツカーだ。見かけはハッチバックのゴルフなだけに、このクルマを選ぶのは、路上で目立てばよい、などとは絶対に考えない、大人っぽいひとかもしれない。

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もう1つ、ゴルフRで感心するのは、乗り心地のよさだ。上記のように、かなりスポーティーな操縦を楽しませてくれるクルマだが、どんな路面でも、またどんな速度域でもフラット。

路面のうねりにきれいに追従し、凹凸はうまく吸収。このセッティングに、私はいたく感心してしまった。上質とは、ゴルフRのようなクルマのことを言うのだろう。

後席はスペースに余裕があり、175センチの身長でも快適(筆者撮影)

ゴルフRの価格は639万8000円。今回、ステーションワゴンのボディーをもったゴルフRバリアントも同時に登場。こちらは652万5000円だ。安くはないけれど、かなりいい買い物だと思う。

小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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