この先、車両に対する何らかの電動化は避けられない。その意味で、今年6月にマイナーチェンジモデルの日本販売を開始したフォルクスワーゲンのコンパクトハッチバックモデル「ポロ」は、シリーズにおいて純内燃機関の最終モデルになるのではないか。
内燃機関の新型車販売を禁止する動きのなかで、とりわけ欧州ではHV(ハイブリッド車)による電動化、さらにはBEV(電気自動車)化への動きが活発であることは周知の通り。フォルクスワーゲンのBEV戦略では2019年末に欧州での販売を開始した「ID.3」を筆頭に、「ID.4」「ID.5」とボディタイプを矢継ぎ早に追加する。さらに先頃ドイツでは、往年のタイプⅡをオマージュした「ID. Buzz」をデビューさせID.シリーズの増強を急ぐ。
世界各国で2035年とも2040年ともいわれる禁止策の模索や、反対に部分的な撤回が示唆されるなかで、そうはいってもマイルドハイブリッドシステムすら組み合わせない内燃機関は肩身が狭くなる。規制もさることながら、実際の交通環境における走行性能や燃費数値において不利だからだ。
直噴ターボ、FFの組み合わせ
今回は、マイナーチェンジを行った新型ポロに箱根(神奈川県)の山中で試乗した。直列3気筒999cc直噴ターボエンジン(95PS/17.9kgf・m)に、7速のデュアルクラッチトランスミッションであるDSGを組み合わせ、駆動方式はFF(前輪駆動)方式のみ。マイルドハイブリッドシステムは搭載していない。
ボディの全長はわずかに4mを超えた4085mm、全幅は1750mmに抑えつつ、全高は1450mmだから非常にコンパクトだ。都市部の立体駐車場でも場所を選ばないが、安全性能に抜かりはなく「ユーロNCAP」(日本とJNCAPと同水準)では最高ランクのファイブスターを得ている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら