セレナ対ステップワゴン、家族向けミニバン比較 日産とホンダのライバル2台で大きな違いは?

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対するステップワゴンでは、停止位置を任意で設定できるメモリー機能付きの電動パワーテールゲートを、スパーダとプレミアムラインに標準装備する。縦列駐車時など、車両の後方が狭い場所でも、テールゲートの角度を調整できるため、荷物を出し入れしやすい。方式や機構こそ違うが、両モデルともに、狭い駐車スペースという日本独自の環境を考慮した装備を備える点では、ほぼ互角だろう。ただし、セレナのデュアルバックドアは全車に装備されるのに対し、ステップワゴンのエアーにはパワーテールゲートの設定がない。より幅広いグレードへ使い勝手がいい装備を持たせている点では、セレナに軍配が上がる。

乗り降りのしやすさ

ハンズフリーオートスライドドア
ドア下に足をかざすだけで自動開閉するセレナのハンズフリーオートスライドドア(写真:日産自動車)

セレナ、ステップワゴンはともに、車体両側にスライドドアを装備することで、小さい子どもや高齢者などでも後席への乗り降りをしやすくしている。とくにステップワゴンは、電動で自動開閉するパワースライドドアを全車に標準装備する。また、軽く指先を触れるだけで開閉する、静電タッチセンサー式ドアノブも新採用し、高い利便性を誇る。

対するセレナでは、スマートキーを携帯した状態で、ドア下に足先をかざすと自動開閉するハンズフリー機構付きの両側スライドドアを、ベースグレード「X」を除く全車に標準装備する。子どもや荷物を両手に抱えているときなど、ドアノブの操作がしにくいときに便利だ。ステップワゴンでも、ハンズフリー機構付きスライドドアを選ぶことは可能だが、こちらは全車オプション。ただし、セレナでもXは全閉時のみ自動となるオートクロージャー式で、ハンズフリー機構付きは助手席側のみオプションで装備が可能。全タイプにパワースライドドアを選択できるのはステップワゴン、より便利なハンズフリー機構付きスライドドアを多くのグレードに装備するのはセレナだ。

ほかにも両モデルには、スライドドアの開閉と連動し、ステップが自動で出入りする機構をいずれもオプション設定。段差が低くなることで、足を高く上げられない高齢者や小さな子どもなどの乗り降りをサポートする。また、2列目シートにはシートベルト内蔵式を、こちらも両モデルともに設定。2列目にチャイルドシートを装着したままでも、3列目へのスムーズな乗り降りを可能とする。とくにステップワゴンの先代モデルでは、2列目のシートベルトが座席橫のピラー側に装備されているタイプだった。一方のセレナは、先代モデルから内蔵式を採用。3列目への乗り降りをしやすくするため、現行ステップワゴンは、セレナなどのライバル車をかなり研究していることがわかる。

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