日本の防衛政策大転換、中国の反発をどう見るか 自民・小野寺氏「抑止力が効いているということ」

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松山キャスター:安保3文書の防衛力整備の7つの柱には、反撃能力を担うスタンドオフ防衛能力が明記された。国産ミサイルの量産態勢を整えることも盛り込まれている。国産ミサイルか外国産ミサイルかという議論があるが、スタンドオフ防衛能力が明記された意義についてどう考えるか。

国産の弾薬、ミサイルの技術開発には時間が必要

小野寺氏:日本の抑止力を高めるためには、日本を攻撃するミサイルを相手領域内でも食い止めるためには、どうしても必要だということで反撃能力を持つのだが、そのためのアセット、道具が、長射程ミサイルだ。弾は本来やはり国産で持っていたほうがいい。攻撃を受けて反撃したときに弾が足りない、輸入するといっても海を渡っては来ない。弾薬、ミサイルは本来国産で十分用意することができ、備蓄ができ、いざというとき補充できるのが1番だ。今まで日本はそういう能力を政治的に持たないと言ってきたので、当然日本の技術開発もそれをやってなかった。これからそれを伸ばすまでには少し時間がかかる。だが、安全保障は待ってくれない。そのため、すぐに配備できるものは何かということで、アメリカ製で1番能力の高いトマホークがいいのではないかと検討している。トマホークは多少のプログラムを変更すれば、日本のイージス艦のセル(発射管)にそのまま載せて使える。最も早く取得できて、しかも1番上のハイスペックのバージョンのものを取得すれば、相当の反撃能力を一定時期、日本は維持できる。その後、本格的に国産でしっかり対応する。やはり最終的には弾は自前で持ってないと継戦能力で心配だ。

松山キャスター:反撃能力の保有について、立憲民主党の泉健太代表は「容認できない」という声明を出した。これは、立憲民主党として反撃能力の保有そのものに反対という正式表明か。

渡辺周氏(立憲民主党衆院議員・元防衛副大臣):いや、そうではない。自公による今回の3文書については容認できない。反撃能力を行使するにあたり、本当に(攻撃)着手の段階を間違いなく判断できるのか。残念ながら、ミサイルが飛び去ったあとにJアラートが鳴る現状がある。(相手国がミサイルを)まだ打ってない時点で100%打つと判断することは非常に難しい。

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