M-1途中に謎のCM、「野田ゲー」の知られざる熱狂 野田クリスタル「正直、とてつもなく大変でした」

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「正直、前作に比べてとてつもなく大変でした」

――7月の発売時点でゲーム13本、年末に合計7本が追加され、やっと20本が出揃うという形になりました。作り手側として率直なところ、いかがでしたか。

野田クリスタル。1986年生まれ、吉本興業所属、マヂカルラブリーのボケ担当。『M-1グランプリ2020』優勝。コンビで漫才を披露する一方、自作ゲーム「野田ゲー」の制作でも話題となり、『R-1ぐらんぷり2020』で自作ゲームをプレイするネタで優勝している ©吉本興業

野田:とにかく大変でした。まずは全ゲームが入るのが年末になりそうだとわかったのが今年4月の時点で、全員がテンパりまして。ちょいちょいちょい、と(笑)

すでに「ダイバーシティ東京プラザ」でイベントを大々的にやることが決まっていて、7月28日の発売日はずらせない。とにかく発売できる段階に持っていこうと先行して13本のゲームを出しました。正直、前作に比べてとてつもなく大変でしたね(笑)

――ミニゲームとは思えないボリュームのゲームが多いですね。

野田:前作の盛り上がりもあるし、集まった金額も大きかったので僕も含めてプレッシャーを感じていて。「とにかく大規模なゲームを作ろう」となったんですよね。クオリティを上げずに、ボリュームのあるゲームを揃えようじゃないかと。

発売したときは正直、「これで1600円か……」と思いました(笑)。でも、最初からこれで儲けようという話ではなく、たくさんの人に野田ゲーを広めるのが目的だったので、まあいいかなと。結果的に野田ゲーを極めようとする人が前作より増えたのが何よりうれしいです。

――ダイバーシティ東京プラザのイベントもかなり盛り上がったみたいですね。

野田:「これでいいな」と思える光景でしたね。「僕はこれを見たくてゲームを作り始めたのかもしれない」と思うくらい平和な光景で。子どもたちがデッカチャンのゲーム(『大乱闘 ブロックくずして』)をやりながらキャッキャと騒いでいて。家族みんなが笑顔なのを見てたら、ないと思っていた僕の優しい部分が出てきて心が温まりました。

これが1回で終わるんじゃなくて、いろんなモールでこういうイベントができればと思いました。やっぱり野田ゲーはライブなんだと。

ブロック崩しを邪魔しないように球をよけ続けるゲーム『大乱闘 ブロックくずして』©吉本興業

――出資された皆さんもたくさん足を運ばれていたようですね。

野田:出資者の皆さんと会えたのも最高でした。僕からすれば、ゲームに出てくる出資者の人たちこそ「本物だ!」みたいな感じだったので。「あ、あの人ですか!」「この音を作った人ですか!」といろんな出会いがあって。出資者同士のコミュニケーションが取れているのもすごく良かったです。クラウドファンディングにいいイメージを持っていない人もいるかもしれない中で、こんなに平和な使い方ができたのは感激ですね。

――前作にはないオンライン対戦も楽しいです。

野田:オンライン対戦ができることで、つり革のゲーム(『みんなのつり革』)が20人同時に対戦できるようになったのが大きいです。大会も開きやすいし、当初思い描いていた満員電車のイメージも実現できたのかなと。

あとは、ランキング機能が追加されたのもいいですよね。こんなにもやり込む奴がいるんだと。でも、オンラインゲームはもうちょい絞っても良かったかな、とも思いましたね。

オンラインゲーム1本の開発は、前作PARTY1本分ぐらいのカロリーがありましたから。もうPARTYなら5本作れたなーって(笑)。オンラインゲームは“諸刃の剣”だと勉強になりました。

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