「開脚できる102歳」勇気をもらえる"その人生" 中国地方の有名人「哲代おばあちゃん」の人生訓

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2022年も仲よしクラブのみんなと花見ができました。仲よしクラブは私が50代の頃に始めたの。自分ではあの頃と何も変わっちゃおらん気がしとるけど、4月29日で102歳になりました。できるだけ人に迷惑掛けずに自分でやれることをやっていきたいですね。

この前、布団に入ってふと、こんなに長う生きさせてもろうてありがたいねえと思いながら寝たん。もう一回、20歳になれって言われてもなりたくないですね。若いことに価値があるという考え方もあるかもしれんけど、私は年相応に生きさせてもらうのがいいなと思うとります。

毎日、あれやこれやと動いております。やるべきことをいくつもつくって、一つずつこなしていくの。そうやって自分を励ましたり、健康のバロメーターにしてみたり。

それが最近、冬布団の上げ下ろしがこたえるようになってきました。「これができるうちは大丈夫」と思うてやってきたんですが、年相応に体はガタついております。だから押し入れに収めるのはやめて、畳むだけにしたんです。このやり方もええですな。無理してけがしちゃいけんからなあ。

でもね、毎日の味噌汁は作れます。きょうも朝起きて、味噌汁の支度ができて、ええねとしみじみ思いよるん。自分でこしらえると感動的においしいの。できなくなったことを追わない、くよくよしない。できることをいとおしんで、自分を褒めて、まだまだやれるという自信に変えるんですね。

哲代おばあちゃん
100歳を超えて介護ベッドで眠るようになったが、毎朝起きたら掛け布団を畳んで廊下にある押し入れに収めているという(写真:書籍『102歳、一人暮らし。』より)

「うらやましい」の心にふたをして、人を褒める

80歳を過ぎたあたりからかなあ、考えても仕方のないことを受け流すのがうまくなった。降参するのが早くなったんでございます。悪口言われても、この人は気の毒な人じゃなと思うし、自慢話ばかりする人も容認してあげるん。自分の「うらやましい、うらやましい」の心にふたをして人を褒めるんです。人は人、自分は自分。違っていて当たり前。私は元気で生きとるだけで上等と思えるようになりました。

気張らず飾らず、あるがままを受け入れる。自分を大きく見せんことです。煩悩やねたみといった、しんどいことは手放すに限ります。その代わり、うれしいこと、楽しいことは存分に味わうの。感情の足し算、引き算をうまいことやっていくしかありません。元気でいるためには、まずは「心」ですから。心が体を引っ張ってくれる。心がしんどくならんようにするんが大切じゃと思います。

生きとる間は楽しまんと損ですね。「ああ、おなかすいた」とか「ああ、ご飯がおいしい」とか。一つ一つ、大げさに声に出してその瞬間を喜びます。そんなことをしていると、一日なんてあっという間に過ぎてしまうんでございます。

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