2位に入ったsantecもM&A効果が大きい。光通信用部品と光測定器の2本柱だが、半導体や5G(第5世代移動通信システム)関連の需要が強く、最高純利益を更新。さらに増配も続きそう。為替差益のなくなる来期も純利益の増加が続く見通しだ。
3位にはレーザーテックが入った。こちらは買収効果はないが、先端半導体開発に欠かせないEUV(極端紫外線)露光用検査装置で市場を独占しており、需要も堅調。下半期に新製品の立ち上げ費用があっても、2桁増益が続く。市場の評価も高く、時価総額は2兆円を超えている。
4位のミンカブ・ジ・インフォノイドも、今期は買収で売上高が膨らむ。12月にZホールディングス傘下にあったライブドアを買収し、今期と来期の大きな増収要因となり、事業も大きく拡大する。「みんかぶ」「株探」など株式に強いWebメディアの成長で増収増益を重ねてきたが、今後は金融市場に依存しないビジネスモデルを狙うことになりそうだ。
上位には上場から間もない企業が多い
レーザーテック以外で時価総額が大きいところでは、15位のSHIFTが5000億円前後の時価総額を誇る。主力のソフトウェアテストが伸びており、増収増益が続く。とくに今期は子会社のテコ入れも効いて、利益が膨らむ見通しだ。来期は売上高1000億円超えが射程圏に入ってきた。2014年の上場以来無配だが、積極的なM&Aなど成長投資が続いている。
高成長が続く企業だけに、ランキング上位30社に入ったのは上場後間もない企業が多い。20世紀に上場したのはレーザーテックのみ。2000年代もsantec、Abalance(5位)、グリムス(11位)だけで、残りは2010年代に上場した企業がずらりと並ぶ。
まだ規模の小さい企業が多いが、この中から時価総額が1兆円を超すようなマーケットを牽引する企業も出てくるかもしれない。今後は、トップラインの拡大だけでなく、利益を生む力も試されることになりそうだ。
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