一気に大緩和?中国・ゼロコロナ政策撤廃の現実 音楽家ファンキー末吉が経験した緩和直後のドタバタ劇

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噂通り、PCR検査場が減ってきているので長蛇の列である。

長蛇の列をなしている銀川市のPCR検査場(写真・筆者撮影)

検査は今までは無料だったのだが、今回から有料になっていた。3.5元。円安とはいえ70円程度で安い! 10人分の検体を1つの試験管にまとめる方式の検査だ。

結果はだいたい半日後には出る。夜汽車に乗って北京に向かい、朝着くころには検査結果がアプリに反映されていることだろう。外国人はQRコードをかざして読み取るだけではダメで、さらにパスポート情報などを自分で入力するのだが、スペルなどちょっと間違えただけで結果は反映されない。私も実際、PCR検査を受けているのに反映されずにQRコードが黄色になってしまって困ったことがあったが、この検査場はいつも必ず反映されるので安心なのである。

さて、いつものように夜汽車に乗ったらすぐに眠れるようにガンガンに酒を飲んで銀川駅へ向かう。これまでは厳重な健康アプリや行動アプリのチェックがあったのだが、それらがまったくなくなり何もチェックされなかった。

陰性証明が必要だったりなかったり

北京に着いた。スマホの地図アプリを開いたら、見慣れない赤いものがたくさんある。「疫情高风险」。つまり「ここには感染者がいるからたいへんだよ」という意味だ。

感染者がいることを示すスマホの地図アプリ(写真・筆者撮影)

北京西駅に着いてからもなんらチェックもまったくなく、以前検査場だった場所に看板だけが撤去されず残っていた。そこからは地下鉄に乗り換えるのだが、みればきっと同じ列車に乗ってきたのだろう、防護服を着ている親子連れらしき乗客もいた。

きっと感染爆発と言われている北京へ行くのに、娘だけには感染させないようにという親心なのだろう。「コロナは怖い病気だよ」と宣伝してゼロコロナ政策をやっていた中国政府が、いきなり「オミクロン株はまったく怖くない」と言い始めた。人民は自分の身は自分で守るしかない。全国の薬局から解熱剤などの風邪薬がすべて売り切れたという噂である。

地下鉄も、一時期はガラガラだったと聞いたがそうでもなくそこそこの乗客がいた。時間もあるので、先日大規模なデモがあったという北京市内東部の「亮馬橋」地区に行ってみたが、別にいつもと変わらない感じだった。上海では、デモが発生した場所の歩道が厳重に封鎖されたと聞いていたが……。

レコーディングまでには時間があるので、スターバックスにコーヒーを飲みに行ったら陰性証明の提出を求められた。それから、知り合いの中国人がやっている日本料理屋に行ったのだが、そこはホテルの施設内にあり、普段はより厳格な検査を行うのだが陰性証明の提出は必要なく、QRコードをスキャンして「この場所に来た」という足跡を残すのみであった。規制緩和を受けての対応が店によって違うのだろう。

次ページやけに神経質なところも…
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