これを受けて銀川では、スーパーや商業施設に入る際に必要だった48時間以内の陰性証明の提示が不必要となった。そんな頃である。北京でレコーディングの話が来た。
いや、話はだいぶ前からあったのだが、ゼロコロナ政策による厳しい行動制限や、外地からの流入規制、そして都会よりいつも1テンポ遅れて対策が変わるこの銀川に、北京から帰ってきてちゃんと入れるのかという心配があったので、「今は北京には行けない」と言うしかなかったのだ。
ところが、12月7日の規制緩和発表に続いて、中国で省をまたいで移動する際の陰性証明の提示が撤廃された。これはコロナ禍で長くツアーを回っていた私にとってはとてもうれしいニュースである。
PCR検査を課しても検査場は次々閉鎖
実はIT大国とされる中国で、便利に思えるそのアプリの数々、とくに省ごとに違う健康アプリのほとんどが、外国人には対応していないのだ。
そして、北京に住む友人の話によると、規制が緩和されたといっても飲食店などに入るためには48時間以内の陰性証明がいまだに必要なのに、12月7日の規制緩和によってPCR検査場が次々と閉鎖されたため、今度はその検査をきちんと受けられる検査場を探すのがたいへんになってしまった。とくに外国人にとっては、外国人に対応していないPCRR検査場というのがあるから、さらに探すのに一苦労、二苦労させられる。
こんな笑い話も伝わってくる。
「陰性証明が必要なんだけど、検査をやっているところがないじゃない!」
「検査なら病院行ってやれ」
「その病院に入るのに、陰性証明が必要なんだよ!!」
銀川のような地方都市は対応が遅く、まだそこまで切羽詰まった状況にはならないが、北京などの大都市では急激な政策転換によってかなりの混乱が起こっているようだ。
そんな大混乱の中、12月9日に北京行きが決まった。出発の頃には北京で爆発的に感染者数が増えているという噂も聞くが、銀川の友人たちなんかは「お、いいじゃん! 帰ってきたらメシ食おう」と笑う。感染したらメシどころじゃないのに何を言っているんだろうと不思議に思ったが、後にその意味がわかることになる。
さて、北京に行くとなると、心配なのはPCR検査をどう受けるかである。北京の友人夫婦は久しぶりに私と飲むことを楽しみにしてPCR検査を受けているのだが、毎日検査しても結果が健康アプリにまったく反映されず、結局8日間も検査を受けてないことになっており、飲食店どころかどこの施設にも入れないのだ。
そこで、北京で陰性証明をゲットするのは難しいだろうと思い、私は出発前に銀川でPCR検査をすることにした。
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