部下には本音を求めず「ドライな関係」がいい理由 部下と距離を縮めたいときのとっておきの秘策

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「若い子」「世代」というおおざっぱなくくりの話題や、「ニュースや時事ネタ」のような身近ではない話題を、唐突に振ったところで話はつるつるとすべるばかり。双方の心理的距離はいっこうに縮まりません。

そこで「やばい……」と焦って、今度はいきなり「職場の悩み・不満」を聞き出そうとしても、距離は依然として遠いままなので、もちろん本音が聞けるわけがありません。

どちらも、「どうでしょうねえ……」「なんだろうなあ……」と、答えづらいことこのうえありません。

「軽い悩み」を用意しておく

部下・後輩・年下と雑談を通じて心理的距離を縮めたいとき、「ちょっとした自分の悩み」を話すのが正解です。

「ちょっと聞いてくれる? 最近、娘にこんなこと言われてさ……」

「詳しかったら教えてほしいんだけど、ネトフリとアマプラってどっちがいいの?」

「先月、『5年目研修』で言われたことが意味不明でさ〜」

相談するのは軽い悩みにします。受け止めきれない重い話題は避けましょう。「下」に話せるぐらいのちょうどいい悩みを、日頃からいくつか用意しておくのもいいでしょう。

相手としてみれば、「あんまり気にしなくていいと思いますよ」「それは何を観たいかによりますね〜」「わー、それは意味不明ですね!」と気楽に答えられますし、「偉ぶらない人」「気さくで飾らない人」という印象も与えられます。

実は、この「悩み相談をする」は、部下・後輩・年下が上司・先輩・年上と雑談するときの定番テクニック。適度に自己開示できるし、相談されたほうは気持ちよくアドバイスできる、という仕組みです。使える手法は、そっくりそのまま拝借しましょう。

「下から上に相談」の場合と違って「いつまでもアドバイスが止まらない」という地獄絵図は生じにくいので(笑)、お互いにとってちょうどいい雑談が展開できます。

ポイント:悩み相談で、相手との距離を縮める
紹介する
〇 「尊敬してる」と紹介する
× 「かわいがってる」と紹介する

「こいつ、今、俺がかわいがってる後輩。よろしくね」

「○○くんは、私のお気に入りだから!」

「■■は見どころがあるよね。前から買ってるんだ」

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