「変化を嫌い反対する人」を味方にする3つの視点 「愛ある批評家」には積極的に耳を傾けてみる

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組織改革に「反対者」が立ちはだかるのはよくあることですが、効果的な向き合い方はあるのでしょうか(写真:kelly marken/PIXTA)
「社長がこう言ってるから」「予算ではこうなっているから」「前例がないから」「それが決まりだから」……。
「組織」という存在に対してこんな違和感や不満をもったとしても、「しかたない」とあきらめ、しぶしぶ受け入れてしまう。次第に思考停止におちいり「そういうものだ」と思ってしまう。起こったさまざまな刺激や問題、出来事に対して、立ち止まって考えることもなく、そのまま瞬間的かつ感情的に反応してしまう。
このような状態を、スティーブン・R・コヴィーは著書『7つの習慣』のなかで「反応的」と呼んでいます。ですが、それではいつまでたっても、「助手席」に座ったままの人生です。「運転席」に座り直しましょう。現実に対して反応的になるのではなく、「主体的」に考え、自分にできることから行動してみるのです。
しかしその道中には、多くの「反対者」が立ちはだかることでしょう。この記事では、起業家である斉藤徹氏の書籍『だから僕たちは、組織を変えていける ワークブック』から、自らの組織をより良くしていこうと行動したときに立ちはだかる「反対者」との向き合い方についてお伝えします。

どこから手をつけていいのか…

違和感のある組織を変えるために、主体的にできることとはなんでしょう。それは、「自分が変わる」ことです。『7つの習慣』のなかでは、「インサイド・アウト」という考え方が提唱されています。自らの根本的な人格や動機といった内面(インサイド)を変えることから変革をはじめることを指します。

人の行動を変えようとする前に、自分自身に問いかけてみましょう。もし自分が相手の立場だったら、あなたの声は心に届くでしょうか。そして自分の内面を見つめて、自らの意志で行動を変えていきましょう。

しかし自己を客観的に認識し、コントロールすることは、とても難しいことです。組織心理学者ターシャ・ユーリックが約5000名を対象に行った調査では、自己認識力が高いと判断された人は、わずか10〜15%程度でした。人は権力を持つほど自己への過信が高まり、自己認識力が低くなる傾向があることもわかっています。

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