従来、第2パーソナリティを求める人々は、「ツイッター(Twitter)」などのSNSで、現実世界の知人とはかかわりのない裏アカウント(いわゆる「裏垢」)を運営することによって、現実世界では表現しきれない自己のパーソナリティを実現してきた。
そこでは、自己のパーソナリティの一部を裏アカウントに投影し、そのアカウントを通じて第2パーソナリティとしての思いや意見を発信し、人々との交流や活動をしてきた。しかし、SNSでは実現できる表現に制約があり、限界を実感していた人々も多かったであろう。
ところが、今後はメタバース上でそうした第2パーソナリティによる発信や交流がより快適になり、デジタル空間上での自己を「本来の自分」と認識できるようになっていく。その最大の理由は、3D仮想空間や拡張現実の世界では、これまで以上に自己のパーソナリティをデジタルアセット(資産として価値のあるデジタルデータ)に投影することが容易となるからである。
新たな空間では、人を模したアバターに自己のパーソナリティを投影し、そのアバターを通じて発信や交流ができるようになる。また、ジェスチャーやアバター同士の距離感、声色といったさまざまな情報を用いることも可能となり、SNSの本質ともいえるコミュニケーションの質も大幅に向上する。
恋愛が仮想空間にも広がる
これまで、人々が出会い、仲を深め、恋愛に至る場として機能してきたのは主に現実世界であった。しかし、今後パーソナリティの表現の場として3D仮想空間や拡張現実が拡大すると、現実世界中心の恋愛が仮想空間にも広がる。
これは、自己のパーソナリティや価値観を、現実世界に劣らず表現できる場としてデジタル世界が機能し得るからである。
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