日本の若者がハマる「中国コスメ」現地の最新事情 ローカルブランドの香水が中国人Z世代に人気

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また、香水の八角形の大きなキャップはブランドを象徴する作りとなっている。キャップは、江蘇省・蘇州の庭園で目にした、八角形の窓枠からインスピレーションを得たそうだ。

香水
「金木犀は東洋のノスタルジアを最も感じる植物だと思います。特に中国人にとっては心動かされる植物なんです」と沈氏。 金木犀を主原料にした「颐和金桂」は観夏の定番商品 (写真:観夏提供)

中国ではお馴染みの「玉石」のようにも見え、従来の香水にはないデザインで、一度見たら忘れないインパクトがある。また、その樹脂性のキャップは1つひとつ手作業で成形されているため、表面の模様も1つひとつ異なるのだそう。世界にたった1つの自分のための香水のようでもある。

価格も気になるところだが、香水は498元(約1万円)から1598元(約3万2000円)と比較的手に取りやすい。さらに、練り香水は229元(約4600円)、クローゼットで使うアロマワックスバーは179元(約3600円)とお財布に優しい価格の商品もある。観夏の顧客は25歳から40代までの女性が多いそうだが、最近は、男性が自分で使う、またはプレゼントに購入するケースも増えているそうだ。

一方で香水は何よりも香りが命。自分の好みの香りかどうかは実際に試さないと買うに至らない、との声もあるだろう。

最初からD2Cという方法をとった理由について、沈氏は「(D2Cは)チャレンジングではありましたが、すぐに消費者からのフィードバックが得られるので、調整を続けてより良い商品を作ることにもつながりました」と語る。

また商品の宣伝手法については、「テキストとビジュアルだけでその香りを表現して(自社のSNSで)発信しました。当初は特に宣伝はしていなかったのですが、消費者が香水と香水に添えられたカードを写真に撮り、香りの感想とともにSNSで発信してくれたことで売り上げが伸びたのだと思います」と話した。

消費者は実際に使用した感想を添えてSNSで紹介している(写真:観夏提供)

旗艦店も大都市圏を中心にオープン

とはいえ、リアルで実際に手を取ってもらう「体験」もやはり重要になってくる。観夏は2020年には旗艦店の1号店を北京にオープン。現在、北京、上海、深圳、杭州に旗艦店を構えている。

中国コスメ
北京の旗艦店。北京の伝統建築「四合院」をリノベーションした(写真:観夏提供)

旗艦店のなかには、その街の歴史を代表する古い建物をリノベーションしている店舗もあり、「店舗を通して街の歴史に関心をもってほしい」という狙いもあるそうだ。

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