日本の若者がハマる「中国コスメ」現地の最新事情 ローカルブランドの香水が中国人Z世代に人気
具体的には、世界遺産「紫禁城」600周年を記念した化粧品を販売するブランドが人気を博すなど、中国の若者には見た目にも美しく、価格においても魅力的なアイテムが好まれている。中国人の共感を呼ぶストーリー展開をしているローカルブランドの人気は、この先も続くとみられている。
中国国内での香水をはじめとするフレグランスブランドのローンチは、ここ数年に始まったわけではない。2010年前後から設立が続いており、今年、iiMedia Ranking(艾媒金榜)が発表したランキング「2022年中国国産香水ブランドランキングトップ15」の1位、2位のブランドはいずれも2010年、2009年にローンチされている。
いまだ人気が衰えずヒット商品を打ち出しているブランドがある一方で、Z世代を中心に話題をよんでいる新しいブランドもある。2018年にローンチされた「観夏(to summer)」だ。
D2Cでの販売が中心の異色の香水
観夏は、D2C(ECサイトで直接消費者に販売する仕組み)での販売が中心だ。中国国内ではローンチ以降、観夏の人気ぶりを報じる多数の報道が目立つ。
今年5月からはイギリスのECサイト「NET-A-PORTER」、10月からは中国の大手ECサイト「天猫」でも販売をスタートするなど、さらに多くの人に届く展開を始めた。
観夏の特徴は、東洋の香りをテーマに据えている部分にある。中国国内やフランスの調香師とタッグを組み、中国をはじめ東洋で馴染みのお茶や金木犀、ジャスミン、シダーウッドなどを原料に取り入れている。
なぜ東洋の香りにこだわるのか。創設者のひとりで、元ファッション誌の編集者の沈黎(シェン・リー)氏は「以前、訪れたグラース(フランスの香水のメッカの街)で出会った調香師に言われた一言はいまでも心に残っているんです」と話す。「君たちにしか東洋の香りは作れない。ずっと続けるんだよ」その一言をつねに意識して、丁寧に東洋の香りを研究して作り続けているそうだ。
商品ラインナップは、香水をはじめ、練り香水、ディフューザー、アロマキャンドル、アロマワックスバーなどさまざま。それぞれの商品には、商品名とは別に香りやコンセプトを代表する漢字一文字が大きく記載されているので、商品の香りがイメージしやすい。
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