勝間和代は、どこに向かっているのか? 麻雀プロ試験に合格、ゴルフ本も出版

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――今の課題は。

まだまだ学習途上なので、精度を高めていきたい。ボギーペースで回れるようになってきたとはいえ、大きなミスが出ることが多い。どうしたらそれを減らせるか悩んでいます。ゴルフで私が心底うらやましいのは、頭を使わずに100を切れる身体能力のある人。私は頭を使わないと120ぐらい打ってしまいます。

――麻雀にはまるきっかけもゴルフだったとか。

2013年12月、ゴルフコンペで知り合った人たちと麻雀をするようになりました。そのメンバーに格段に強い人がいて、通してやると全然、勝負にならない。私は本を読んでひととおりできるようになってはいたのですが、本だけではダメだなあと思って、プロに直接習うようになりました。

 

その“格段に強い人”が、外資系IT企業に勤務する高山清光さん。大学時代に麻雀にはまっていたという高山さんは、勝間氏が麻雀に前のめりに取り組んでいった様子を鮮明に覚えている。
「最初は手さばきも素人だったし、考える時間も長かった。やがて質問の嵐が来るようになりました。あくなき欲求があったんでしょう。彼女の麻雀はゴルフと同じで確率重視。ぶれる幅を読みながらゲームをしていくタイプですね」

職業は「思考のアスリート」

――メルマガによると、最初の半年は本で学びながらオンライン麻雀をたくさん打ち、2014年4月からは社会人競技麻雀リーグに参加してプロの指導を仰ぎ、9月にプロ試験を受けると決め、すき間時間に雀荘に訪問してはプロのコーチを受け続け、日曜日は座学の教室に通い……」と、取り組みかたが半端ない。徹底していますね。

(撮影:梅谷秀司)

2015年1月、最高位戦日本プロ麻雀協会のプロになりました。ゴルフでは、とりあえず人に迷惑をかけないアベレージゴルファーになりましたが、これを麻雀でいうと、ルールがわかって計算ができますというレベル。ゴルフの練習に比べたら麻雀は10倍はやっています。

麻雀を始める際には、人工知能の専門家にも話を聞きに行きました。自分のフレームワークというか、軸を持ちたかったので、麻雀はどういうゲームなのか、科学的な分析を知りたかったからです。1月の公開試合でトッププロ3人に挑戦したのですが、自分の技能が低いことを前提に戦法を組み立ててやったら、僅差の2位になりました。麻雀での今の目標は、昇格です。春からD1リーグに出場しますが、将来的にはB1以上にいきたい。それと、女流リーグの決勝に残りたい。

――何事も、やるからには極めたいタイプですか。

人生というポートフォリオの中で、ビジネスやおカネの面だけで成功するより、楽しく、健康で、仲間がたくさんいることが重要と考えている。

長時間働かなくても生計が成り立ち、楽しく過ごせるのが理想だと考えていて、両方を追求したい。労働時間は長くないほうがラクですし、好きなことなら長時間やってもつらくないですから。頭を使って思考を訓練するのは楽しいです。私の職業は思考のアスリートというイメージ。ロジックや論理は不完全だし絶対とは思っていないけれど、あったほうが近道になる。メルマガ、本、連載などをとおして、いろいろな学びを言語化して人と共有したい。

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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