アップル「為替に左右されない価格」実現したワケ アプリの「サイドローディング」を牽制する理由

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つまり、ドルベースで販売価格を決めると、App Store上で自動的に為替が変換されるしくみだった。例えばアメリカで0.99ドルのアプリは、現在日本では160円に設定されている。ここで問題となるのが、為替の急激な変化だ。2022年10月5日のApp Storeにおける為替の調整前は、0.99ドルのアプリが120円だったが、為替の調整で、0.99ドルのアプリが160円に設定される変更があったばかりだ。

これにより、日本のアプリストアの最低価格も120円から160円に値上がりしてしまっており、日本国内の開発者も、本来であれば関係ないはずの為替変動に巻き込まれ、ユーザーにより割高な価格でアプリを提供しなければならなくなっていた。

今回の改訂では、2つの方法で、自動的な為替の影響による値上げや値下げを回避できるようになる。

App Storeが重要な理由

1つ目の方法は、例えば日本の開発者であれば、日本を基準の国とすることで、日本国内の販売価格を一定の水準にすることができるようになる。日本の開発者からすれば、日本国内が主たる市場であれば、日本でマーケティングしやすい価格を選んで、他国の価格を自動的に調整することで、前述のような、日本のユーザーに割高な価格で提供せざるをえないといった事態を回避できる。

もう1つの方法は、国ごとに価格を自由に設定する方法だ。例えば日本とインドネシアで、同じアプリを異なる価格で販売する設定も可能となる。その国の経済状況や購買力に合わせて売りやすい価格を個別に設定していくことで、アプリのマーケティングに価格戦略を国ごとに盛り込める点は、グローバルに活躍するアプリ開発者にとってもありがたい設定といえる。

アップルはApp Storeを2007年に開設して以来、3割の手数料や、グローバルで統一した価格設定というルールを維持してきた。アプリ経済圏が成熟するまで、そもそもモバイルアプリを購入する、あるいは定期購読するという購買行動や価値感をゼロから作っていかなければならず、開発者ができるだけアプリ開発に集中できる市場環境を作ることに主眼が置かれていたと言える。

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