40代の苦しみは、老後の幸福につながる 「お金と仕事」2大苦悩から解放される方法

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「年をとるまで待てない」

「今すぐに幸せな気分になりたい」

こんな人にお伝えしたいのは、何らかの行動を即座に起こすことです。

人は活動的になると、必ず満たされた気持ちになります。活動にも色々なものがありますが、特に効果的なのが、体を動かすことです。

「外に出るだけ」で幸福度は上がる!

平日の仕事に疲れ果て、週末は家でゴロゴロとしたいと思う人もいるかもしれませんが、外に出る機会があれば、ぜひそれを逃さないようにするべきです。

体を動かすといっても、ハードな運動をする必要はありません。要は主体的なアクションを起こすことが大切なので、博物館に行くといった行動でもいいのです。

能動的に動き出すと、必ず誰かとの出会いが生まれます。その出会いが新たなつながりや発見となり、自分にとってポジティブに働くのです。

こうした効果に恵まれるチャンスが広がるので、家の中にこもるのではなく、できるだけ外出して行動を起こしてください。

もちろん、運動することもいいことです。ジョギングやウォーキングは相変わらず人気がありますが、単に庭でゴルフのスウィングの練習をするだけでも、十分に気分が晴れてきます。

行動によって何らかの成果が得られると、人は幸せを感じます。私たちは以前の自分よりも成長したことを実感すると幸せになるものなのです。これは、「4つの因子」の中の「やってみよう」因子に当てはまることです。

子どものころ、逆上がりができるようになった瞬間、大喜びしたことをいまだに覚えている人も多いのではないでしょうか。こうした感受性は成長しても消耗することなく、どんなに年をとってもしっかりと残っています。

何かを始めることについて面倒だとは思わずに、少しでも興味を持ったことは童心に立ち返って挑戦してみることです。

幸せになるのは一見難しいことのように見えますが、幸せとは何なのかを知り、それを実感するために行動を起こすことで、思いのほか容易に幸せになることができるのです。

日常生活の中での小さな行動の積み重ねを怠らず、これまでの意識を少し変えてみることによって、幸せをもっと身近なものにしてみてください。どんな状況にあっても、人は必ず幸せになれるのです。
 

前野 隆司 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授

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まえの たかし / Takashi Maeno

1984年東京工業大学工学部機械工学科卒業、1986年東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、同年キヤノン株式会社入社、1993年博士(工学)学位取得(東京工業大学)、1995年慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て、2008年より慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授。2011年4月よりSDM研究科委員長。この間、1990年-1992年カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、2001年ハーバード大学Visiting Professor。
 

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