東京都は東京駅と臨海部を結ぶ新たな地下鉄の事業計画案を明らかにした。2040年までの開業を目指している。不動産の価値に最も影響するのが鉄道である。今回の影響範囲と購入時期はいつがいいのか、過去の資産価値の推移から予測してみたい。
この地下鉄新線は、距離にして約6.1キロ、駅にして7つになる。「東京駅」「新銀座駅」「新築地駅」「勝どき駅」「晴海駅」「豊洲市場駅」「有明・東京ビッグサイト駅」の7駅(駅名はいずれも仮称)。幹線道路である環状2号線の晴海方面の地下あたりに相当する。
湾岸エリアなので、大規模なタワーマンションが建ちやすく、既存の鉄道は輸送能力を超えつつあり、すでにかなりの混み具合になっている。これの混雑緩和の意味合いもあるが、今後も続く開発に伴う人口増とのいたちごっこが続くだろう。
「ゆりかもめ」沿線は安定的に資産価値が上昇
ちなみに、首都圏でマンションの資産価値が最も安定的に上昇した沿線は「ゆりかもめ」である。過去に新築供給された16駅137物件のうち、含み益を生んだ確率は85.4%にのぼる。これはJR山手線の81.6%をも上回り、はずれの少ない立地と言える。駅単位でのこの確率は最低でも79%なのでどの駅でも安定している。
この含み益を生み出す確率のことを筆者の運営する「住まいサーフィン」では「沖式儲かる確率」と呼んでいる。
なお、含み益とは新築で購入したマンションを売却した際に手元現金が増えることを指す。例えば、新築を5000万円で購入し、数年住んで4000万円で売却すると1000万円値下がりしたことになるが、この間1200万円元本返済していると、売却で4000万円の現金が入り、ローンの残債3800(=5000-1200)万円を返却するので200万円現金が手元で増えることになる。これを含み益としている。
あるエリアの100物件のうち60物件が含み益を出していれば、含み益を生み出した確率は60%となり、これが高いほうがお得な駅・沿線ということになる。ちなみに、相場変動はない想定になるように補正を行っているので、最近の価格高騰でどこでも儲かるというようにはなっていない。
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