湾岸エリアで供給が始まったのは約20年ほど前である。そのころから価格は上昇の一途なので、実際に含み益が出た確率は100%近いだろう。「鉄板」の資産性がある立地になる。
ゆりかもめ以外にも、りんかい線や有楽町線の湾岸エリアも同様の確率を残している。湾岸エリアは横浜市のみなとみらい線でも69.4%と神奈川県にしては高い資産性を示している。なぜ湾岸エリアが強いのかには明確な理由がある。
第1に、都心へのアクセスが圧倒的によいことだ。マンションの資産性は都心への時間距離で決まっていると言っても過言ではない。
第2に、大規模なタワーマンションが建ちやすいことだ。マンションの資産性は総戸数の少ない小規模物件より、総戸数が多い大規模物件のほうがいい。築年が経っても魅力を維持できるからだ。またタワーマンションは低層のマンションより資産性が高い。ランドマークとなる物件は値下がりしにくいということだ。
子どものための「公立小移民」が多くなる
第3に、先住民がいない場所に新たに大規模面開発された街には特有の魅力がある。それは親の教育水準に裏打ちされた子ども世代の学力の平均的な高さだ。ゆりかもめ沿線の物件の購入者の平均年収は1150万円で、大卒以上の割合は30%と高い。
こうなると、公立小学校のレベルが名門並みに高くなる。中学受験隆盛のご時世に子どもの教育環境は親の関心事で、レベルの高い公立小学校に入学させるためにその学区内に住む、通称「公立小移民」が多くなる。
今回の新線の中でその付近に鉄道駅がないのは、晴海だけだ。その意味で“陸の孤島”だった晴海付近の物件の資産価値が上がるのは間違いない。
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