分譲マンションにはランニングコストがかかる。主なコストの1つが管理費、もう1つが修繕積立金だが、この2つのコストに異変が起こっている。
まず管理費を見ると、新築と中古の差が開いているのだ。
新築マンションの管理費のm2単価は、この10年ほどで3~4割上昇している。上昇要因の最たるものは人件費の高騰だ。管理費のm2単価は分譲価格の単価と比例する傾向にあるので、高額物件ほど管理費単価は高くなる。2013年以降、相場が7割ほど上がった分譲マンション市場では、管理費も値上がりしている状況にある。
中古マンションの管理費が上昇していない
ところが、中古マンションの管理費のm2単価は、ほとんど上がっていない。管理会社から値上げ要請を受けていることは間違いないが、値上げをするには管理組合の承諾が必要になる。その合意が取れず、管理のサービスレベルを下げたり、管理費の競争入札を行って、管理会社の変更を辞さずに対応してきたりした結果と思われる。
そして管理会社の中には、値上げをのんでもらえないマンションの管理を受けない会社も出てきた。赤字になるくらいなら、やらないほうがましだという判断である。
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