新築マンション価格は未曽有の高値となっている。最近は供給が少なく、立地もよくないうえに、中古よりかなり割高になっている新築物件を買うくらいなら、中古を買うことを私は勧めている。
その際の築年数の目安は築21年以内と伝えている。理由は2001~2003年の最もマンション価格が割安だった時期を含むからである。これ以前になると、新築時の価格は高くなり、面積も大きいとは言えないので、「21世紀物件」としてちょうどいい区切りとなっている。
このころは首都圏で10万戸近くの供給が続いて物件数も多く、地価も建築費も安かったので、面積も広く、居住性にも優れている。そんな築20年を買った場合の不安の最たるものは、10年後の築30年になっても売れるのかということで、よく質問される。
今回はこの疑問に答えを出そうと思う。
10年後、取引中古物件の平均築年数は28年になる
首都圏の中古マンションの成約事例の統計は1992年からある。その年の平均築年数は11.19年で、2021年は22.96年になっている。この29年間で11.77年古くなっている。とくに、最近5年間の築年数の古くなり方は早く、1年経過で築0.5年古くなっている。
最近の供給戸数が以前ほどないので築浅中古の取引件数は自然と少なくなるので、この数字に落ち着くのは容易に想像がつく。今後も価格が高くなることが推定される中、供給戸数は減少基調になるので、「1年経過で築0.5年古くなる」傾向は続くと考えられる。
そうなると、10年後には取引中古物件の平均築年数は28年ほどになる。つまり、今購入した築20年のマンションを10年後に築30年で売る際には、市場取引の平均築年数28年とほぼ同じということになる。このころには、築30年の物件は当たり前に取引されているということだ。
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