平均年収で「毎月10万円赤字」じっとしている日々 団塊世代が気づいた「子が貧しく孫ができない」

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しかし、自治体レベルでは独自の取り組みによって成果を出している例はある。

「東京都は2015年から中年層の非正規社員を対象に就職支援事業『東京しごと塾』を行い、一定の成果を挙げています。また、富山県は地元の中小企業と学生のマッチングを図る『とやま就活バスツアー』や『就活女子応援カフェ』など、積極的な取り組みを行っています。地元の子供達が就職の際に富山に戻って活躍し、地域作りをしてほしいという理由で始められました」

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富山県にはYKKや不二越など、世界シェアを誇る企業が実は多数ある。

「そのため雇用の受け皿が多く、働きながら子育てがしやすい環境があります。それらの魅力をしっかりとアピールする取り組みがうまく回っていると思います。

今はコロナ禍によって地方が見直されており、地方に就労者を呼び込むチャンス。富山県のような取り組みを各自治体が地道に実施していくことが雇用問題を解決する糸口になると思います」

それと同時に、長期的な視野を持った政府の取り組みが重要だ。

「小手先で解決できるような状況ではありません。限られた財源をどう振り分けるかは政治判断であり、それを動かすのはやはり国民の声です。雇用問題の解決に財源を充てるよう声をあげていかなければ、大変な未来が待っていると思います」

都田ミツコ 編集者・ライター

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とだ みつこ / Mitsuko Toda

1982年生まれ。編集者・ライター。編集プロダクションでの勤務を経て、フリーランスに。

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