「非正規が長かった人」が転職応募で注意する点 「非正規でも任されてきた」アピールは避ける

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まず、なぜ非正規で働いているのか、なぜ長くなったのか、客観的な振り返りが必要です。例えば、非正規で働いていた理由の書き方です。

・やりたい仕事が未経験であったため、今までよりも就業条件が悪くなっても、経験を積むためだった

・長期のブランクがあり、社会復帰するには非正規からが良かった

次に非正規が長かった場合の書き方です。

・未経験ゆえ、スキルを身に付けるまでには相応の時間が必要だった

・契約期間満了までは途中で投げ出さずにやり切ろうと思った

・先方からお願いされて、更新を重ねていたら長くなった

繰り返しになりますが、「非正規でもすごい仕事をしてきた」アピールは、外す可能性が高いので、事実だとしてもほどほどに。逆に自身に割り振られた仕事はどんなものでもきちんとこなしてきた、といったアピールの方が等身大で無理がなく、採用人事も受け入れやすいでしょう。

具体的な書き方の例

30代後半~40代のための 転職「書類」受かる書き方
『30代後半~40代のための 転職「書類」受かる書き方』(秀和システム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ご参考までに、実際に応募書類に記述する際は、以下のような書き方があることをご紹介しておきます。

①今まで3社の勤務経験がありますが、いずれも契約社員でした。

→ここもセオリーどおり、今までの事実を振り返る。

②手を抜いたりはせずに、自分なりに頑張ってきたつもりです。

→控え目にでも、自身の仕事への矜持を伝えておく。

③とはいえ、不安定な雇用形態は望むものではありませんし、今の会社の正社員登用率も30%を切る狭き門ですので、正社員の道を探して転職活動を行っております。

→現職では正社員の道が叶わないことも具体的な数字を用いて説明しておく。

中谷 充宏 キャリアカウンセラー

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なかたに みつひろ / Mitsuhiro Nakatani

キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)。社会保険労務士。同志社大学法学部法律学科卒。新卒入社したNTT(日本電信電話株式会社)勤務後、1社転職を経て平成16年にキャリアカウンセラーとして独立。日本トップクラスの「就職&転職のパーソナルキャリアコーチ」。社会保険労務士として人事採用コンサルティングの経験が豊富。人事部長として企業人事を一任されるケースも多く、集団面接・GDに対する企業側のニーズや生々しい実際の面接シーンを、面接官として熟知している。4つの大学のキャリアセンターに所属経験があり、支援した大学生は1万人以上。
 

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