転職面接で前職を辞める理由を語る注意ポイント ごまかしなくネガティブ要素を打ち返すスキル

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面接では転職のネガティブイメージを打ち返す必要がある(写真:Fast&Slow)
「35歳転職限界説」がまかり通っていて厳しかったミドル世代の転職ですが、雇用の多様化や転職エージェントの普及により、40代での転職も当たり前な時代になってきました。しかし、転職希望先は前職をなぜ辞める(辞めた)のか気になるもの。面接で必ず尋ねられる質問にどのように答えればいいか、『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』より一部、抜粋・編集のうえご紹介します。

職種や業界によって違いますが、ミドルなら転職回数が概ね5回以上なら多い方と捉えてください。

転職回数の多さを高評価とする面接官は皆無です。書類選考で説明したからOKと安心せず、面接でもきちんと打ち返さないと内定獲得はありません。

「転職回数が多いですね?」と質問されて、「いや、多くない」と事実誤認の反駁をしたり、「多いぶん環境適応能力が身についている」と無理やり「売り」につなげるのはご法度です。

転職を繰り返してきたのが既に過去の話であることは、面接官も理解しています。過去をしっかりと振り返り、簡潔に弁明を述べましょう。それにより、面接官は真摯さ、誠実さ、潔さをまず感じ取りたいのです。

そして今までの反省を踏まえたうえで、心を新たにして応募企業で腹を据えて働く覚悟、たとえば「今回を最後のチャンスと捉え、このチャンスを頂いた御社で全身全霊を尽くして働きたい」といった熱い想いを語ってもらうことで、当社で頑張ってくれそうだという期待感を持たせてほしいと、面接官は思っています。たとえば次のように質問されたら、どう答えるでしょうか。

Q.前職を辞めた(辞める)理由を教えてください

ここは、会社都合と自己都合の2つに分類して考える必要があります。

会社都合退職の場合、何らやましく思わず、事実を包み隠さず伝えれば問題ありません(ここでは会社のお金を横領し懲戒解雇された等、本人の非行が原因のケースは除きます)。

たとえば、「グローバル戦略の一環として、管理部門は全てシンガポールへ移管になり、転居できない人は全て解雇扱いとなりました」という内容なら、面接官も納得します。

自己都合退職の場合、たとえば残業が多い、休みが取れない、職場の雰囲気が悪い等という短絡的でわがままな退職理由は、ミドルであれば少ないと思います。

多いのは、会社からやんわりと退職勧奨を受けた、意図しない人事異動を受けた、理不尽に給与を下げられたといったネガティブなものに起因するケースでしょう。しかしそれだけを伝えると、面接官にマイナス印象を与えてしまいます。できるだけネガティブな要素を克服するための努力や今後の意欲などでフォローして納得してもらうことが大切です。

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