転職面接で前職を辞める理由を語る注意ポイント ごまかしなくネガティブ要素を打ち返すスキル
(たとえばこういう人の場合)
39歳男性、大学院卒。新卒入社した1社に勤務。今回初めての転職で、同業種・同職種(新素材開発の研究開発職)への応募。
NG
「自己都合と言っても、実は会社の意向が強く働いたものでして。私は辞めたくないと言ったのですが、今のままでは君の仕事はないと言われ~」
→事実であっても、退職に際しもめたように受け取られる回答だと言い訳がましくなります。
OK
「包み隠さずに申しますと、前職で不本意な人事異動を命じられ退職することにしました。具体的には、技術営業をやるよう言われたのです。私は大学と大学院で素材開発の研究に没頭し、入社後もその研究開発に約15年間従事してきたのですが、今回の営業は全くの未経験ですし、正直驚きを隠せませんでした。
確かに技術営業ですから、対象顧客は高度な専門家なので、専門的な知識がなければ太刀打ちできません。その点から見ると、技術知識には自信がありますし、専門家を納得させる説明もできると思います。しかし、私はこの研究をもっと深めたいという気持ちが強く、人事異動を断って退職するに至りました」
→誰が見てもやむを得ない場合と、わがままに起因している場合の判別は難しいケースがありますが、いずれの場合も退職に至る経緯を丁寧かつ詳細に説明することは必須です。
会社都合退職には2つのパターンがあります。1つ目は、懲戒解雇のような本人の非行や経験不足が要因のもの。これはミドルなら稀有でそもそも打ち返しようがないため、ここでは割愛します。
2つ目は、経営不振による整理解雇等です。会社都合退職=「クビ」ということで、特にミドルは「マイナス評価につながるのでは?」と怯んでしまう方も多いようですが、今や経営悪化によるリストラは日常茶飯事。面接官もその実情をよく理解しています。過剰に引け目を感じる必要はありません。
1点だけ留意点があります。有能な社員は残したいのが人事の心情です。
「能力不足だからリストラ対象になったのでは?」という疑惑がどうしても残ります。だから「OK」例のように、これをきちんと払拭しないといけません。
また「私は悪くない。悪いのは会社だ」といった自己防衛のオンパレードになってしまうことがあります。確かに、自分のせいではないことは証明すべきですが、過度になると聞き苦しいだけなので、注意してください。
(たとえばこういう人の場合)
39歳女性、大卒。新卒入社した家電メーカー1社で、主に管理部門で勤務。今回は初めての転職で、同業種・同職種への応募。
NG
「倒産という最悪な結果になったのは、ワンマン社長が勝手気ままな振る舞いをやめなかったからで、社長が乗る社有車は超高級車で、平日はゴルフ三昧では~」
→事実だとしても、前職の悪口が過ぎるのは良くありません。
OK
「業界再編成の波を受けて、昨年秋に、前職も業界シェア1位の松山電器に吸収合併されることになり、松山電器の社員として残れる人と、退職を余儀なくされる人とに分かれました。
白物家電の開発技術者等は前職と変わらぬ条件を受け入れてもらったそうですが、我々のような管理部門は、先方でも既に人がダブついている状況で、受け入れ条件が非常に厳しく、定員も少数限定で、受け入れられたとしても大幅な待遇ダウンは必至でした。
吸収された側の社員が冷遇されるのは、ある程度は致し方ないと思いますが、頑張りが正当に評価されないのであれば、今のうちに退職し新天地を探そうという結論に至りました」
→事実を隠すことなく堂々と述べた後に、自身の行動心理や信念を語ることで、「能力不足だから辞めさせられたのでは?」という疑惑を払拭できています。
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