転職面接で前職を辞める理由を語る注意ポイント ごまかしなくネガティブ要素を打ち返すスキル

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
Q.前職は円満退職でしたか?

円満退職なら、「はい、送別会まで開いて頂きました」等と、事実を伝えればいいだけです。

問題は、そうでなかった場合です。退職時に多少のいざこざがあり得るのは面接官もわかっていますし、「円満退社でした」と嘘をついても、表情や仕草で怪しまれること必至です。怪しまれると面接全体に悪影響を及ぼすので、正直に伝えることをお勧めします。

ただ、正直と言っても、理由について「長年貢献してきたのに、左遷同然の扱いをした会社に我慢ならず、当時の上司に問い質したら~」と他責にするのは良くありません。

面接官も「それは大変でしたね」と共感を示すので、つい調子に乗って会社や上司への不平・不満をぶちまけてしまうケースがありますが、面接官は心の中でドン引きしていることを忘れないでください。ここは、円満退社ではなかった理由を説明した後に、今の想いや今後の取り組みに話の比重をシフトさせましょう。

(たとえばこういう人の場合)

44歳男性、大卒。新卒入社した1社に勤務。パワハラ的な行為を繰り返す上司と対立し退職。今回は初めての転職で、同業種・同職種への応募。

NG
「去る者は追わず的な社風の会社でしたので、私もご多分に漏れず淡々と退職しました」

→回答としては間違っていませんが、円満退職かどうか判断できません。円満だったか否かの2択なので、どちらかを選択した後に詳細を語りましょう。

OK
「残念ながら、円満退社ではありませんでした。この歳になって退職を選ぶのがリスキーなのは重々承知していましたし、そもそも転職は私の望むものではありませんでした。

30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方
『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ただ、昨今のコロナ禍の影響もあって業績が悪化し、こうした決断をしなければならないくらい、前職の職場環境は悪化しておりました。詳細を申し上げるのは生産的ではありませんので差し控えさせて頂きますが、潔く辞めて正解だったと思っております。退職間際にはいろいろありましたが、気持ちをスパッと切り替えて、御社での業務に全力で臨みたいと思っております」

→円満退職でなかった場合、きちんと背景や経緯に触れた後に、「後悔はない」、「次は決死の覚悟で頑張る」と宣言をする方が、ネガティブ要素について詳細にダイレクトに伝えるよりも得策と言えます。

中谷 充宏 キャリアカウンセラー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかたに みつひろ / Mitsuhiro Nakatani

社労士、キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)。NTTでSE、リクルーターを務めた後、1社で採用人事を含む経営企画を担当。2004年に独立開業。社労士として埼玉、東京を中心に中小企業の労務顧問を多数担い、2社の人事部長を任される等、現場最前線で人事労務コンサルを実践、労務問題と解決策を熟知。特に「モンスター社員」対策に精通。キャリアカウンセラーとして埼玉県教育委員会や自治体が運営する就労支援機関、4つの大学のキャリアセンターでの勤務を通じ就職支援実績が豊富。応募者と採用者の両面に精通する。NHK、読売新聞、マイナビ転職等マスコミ取材実績多数。著書に『面接官が本音で教える集団面接・GD完全対策マニュアル』、『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)等がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事