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うつで2回休職した彼女が開き直って掴んだ天職 出版社→絵本作家→なおにゃんが歩んできた半生

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  • 村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
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原稿を読んだ絵本作家さんは

「すごい面白いよ」

と褒めてくれた。なおにゃんさんの原稿には、文章の横にイメージイラストが描いてあった。

「文章だけじゃなくて、絵も描いてみればいいと思うよ」

と言ってもらえた。

絵本作家さんは、自身の担当編集を紹介してくれて、絵本を製作することになった。

「会社を辞めて、絵本作家になろうって決めましたけど、絵のことはサッパリわかってませんでした。その作家さんが使っていたアクリル絵の具を真似して買ってきたのですが、絵の具に水を混ぜるとか、絵の具どうしを混ぜ合わせて違う色をつくるとか、そんな根本的なことも知りませんでした」

原稿用紙は四つ切の画用紙だったが、大きすぎて机に乗らなかった。仕方なく、ベッドに板を置いてその上で描いた。

「その時は本当に私には何にもなかったんですよね。編集部にいた時からずっと、私みたいな底辺の人間の声は、誰にも届かないんだって思ってました。

作家になって、独り立ちしたら、ちゃんと聞いてくれる人がいるかもしれないって思って。だから本当に作家になりたかったんですよね。必死にがんばりました」

2014年7月、初の絵本『いちごパフェエレベーター』が発売された。

好評で発売からすぐに重版がかかった。以来、年に1度程度重版がかかるロングセラーな作品になっている。

(イラスト:なおにゃん)

2、3作目は1作目ほど売れなかった

絵本作家としては非常に快調なスタートだった。

「でもここからがうまくいかないんですよね。2作目、3作目を出させてもらうチャンスをもらったけど、1作目ほどは売れなかった。どんどん初版の刷り部数も減っていきました。編集さんに新作のラフを送ってもだんだん返事がもらえなくなりました。他社に持ち込みをしてもなかなか企画は通らなくて……。

ただそれも当たり前だって気持ちもありました。そもそも、絵も描けなかった私がそんな業界に入れただけで、ラッキーではあったので。

ただそれでも、新しいことをやりたいって気持ちはあるのに、やらせてもらえないってすごくつらくて、惨めだなと思いました」

お金もなくなって、家賃の安い田舎に引っ越した。

「今日も返事もらえないのかな。ラフを送って3カ月経ったけど……」

毎日悲しい気持ちで田舎町を歩いた。

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【絵本が好きで始めたはずなのに】

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