「プラスチックを加熱する人」が知らない健康被害 感熱紙レシートや化粧品、加工食品にも注意

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私たちの身近な存在であるプラスチックの落とし穴とは(写真:syogo/PIXTA)

家を見渡し、プラスチック製品を数えてみよう。本棚にたまったホコリ、スープ缶の内側のコーティング、食品の包装、化粧品など、気づきにくいものにも意識を向けてもらいたい。プラスチックは至る所に存在する。そんな私も、プラスチックが子どもや自身に与える危険性に頭を悩ませている多くの親の1人だ。

アメリカの環境NGO「環境防衛基金」は2021年、いくつかの組織と連名で食品包装における「ビスフェノールA(BPA)」の使用制限を求める嘆願書を食品医薬品局(FDA)に提出している。「健康への影響が懸念されているプラスチックに使用されている化学物質は多く、BPAはその1つに過ぎない」と、小児科医でニューヨーク大学グロスマン医学部の「環境危険物質調査センター」所長、レオナルド・トラサンデ氏は語る。

当局の規制は「ひどく時代遅れ」

トラサンデ氏はBPAの使用制限強化を支持する一方で、食品包装に含まれる化学物質に対するFDAの規制は「ひどく時代遅れだ」と話す。プラスチックなどに含まれる有害な化学物質を丸ごと規制せず、BPAのような単一の化学物質に注目することは「モグラたたきのような状況につながる。これではある化学物質が似たような化学物質に置き換えられるだけで、同様の危険が残るおそれがある」と言う。つまり、こうした化学物質への接触を減らす負担は今のところ、消費者に負わされていることになる。

では、このような現実にどう向き合えばいいのか。ここでは消費者製品のプラスチックに含まれる化学物質が健康にどのような影響を及ぼす可能性があるのかを説明し、健康リスクを減らす方法を見ていこう。

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