「普段から、病院にも頑張って行ってもらってありがたい」
「通院してくれるおかげで、こちらも安心して過ごせるよ」
などと、声をかけてあげたらいいと思います。
復帰できても、頑張りすぎは禁物
うつ症状を引き起こす人の多くは、とても真面目な性格の持ち主です。また、仕事や学業で成果を挙げてきた自負のある人も多くいます。こういう人が復帰すると、遅れを取り戻そうとがむしゃらに頑張ってしまうことがあります。
ですから、頑張りすぎないようにブレーキをかけなければなりません。
産業医のいる会社であれば、復帰するにあたって産業医が会社と協力してブレーキをかけることが多いのです。たとえば、最初の1カ月は残業を認めず、定時に来て、定時に帰る就業の制限を設けたりします。1カ月を乗り越えたら、次の2カ月は残業時間の枠として1日1時間、マックスで月20時間まで、といった制限をかけるなどします。
原則として、就業の制限をかけるのは3カ月まで。
復帰から4カ月目以降も就業の制限をかけなければいけないとしたら、おそらく復帰の時期が早すぎたのです。回復しきれていないと判断して、あらたな手立てを考える必要があるでしょう。
もし産業医がいないのであれば、ブレーキをかける役割を家族が担わざるをえません。会社によっては人手不足で、
「戻ってきてくれて助かるよ」
とばかりに、どんどん仕事をさせようとする場合もあるので、家族が本人によく言い聞かせて、就業時間を調整するなど再発防止に努める必要があります。実際、再発リスクの高い2年の間に、再休職になる人が驚くほど多いのです。復帰したからと安心せず、患者さんの様子をしっかりと見ておくことが大切です。
夜眠れているか、感情の波が激しくないか、食事量に変化はないか、一人で頑張りすぎていないか……。近くにいるご家族だからこそ気づけることはたくさんあります。もし異変を感じたら、早めに受診するように患者さんにアドバイスしてあげてほしいのです。
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