無糖なのに甘い「かごしま知覧紅茶」ヒットの要因 全国的には馴染みのない産地をフォーカスした
茶葉そのものだけでなく、微粉砕した茶葉も合わせて使用。微粉砕茶葉を入れることで、甘味がより感じられやすくなっているのがポイントだ。
最終的な味の監修は、JA南さつまも担当。できあがった味わいが知覧紅茶にふさわしいかどうかという観点でチェックしてもらい、知覧紅茶らしい豊かなコクとまろやかさ、ゆたかみどりの甘い香りが生きた味に仕上がった。
「日本各地には、土地それぞれの素材や製法、それにまつわる文化や伝統があります。受け継がれてきたものや携わる人の思いがあります。美味しさはもちろん、そういった背景も広げていけたらとの考えで商品開発をしています」
全国的には無名の産地をフォーカスした訳
「かごしま知覧紅茶」を訴求するうえで苦労したこともあるという。
「ほとんどの方はそもそも紅茶が国産か、海外産か、の認識がありませんでした。従来のペットボトル紅茶は海外産茶葉を使っていることもさほど認識されていなかったと思うんですよね」
日本で飲まれている紅茶はほとんどが外国産だ。日本での紅茶栽培の歴史は明治時代に遡るが、1971年の輸入自由化以降は外国産紅茶に押され、ほとんどの農家は緑茶に転向。国産紅茶は一度ほぼ途絶えている。
しかしその後、2000年頃から茶業試験場などでも試験的に紅茶生産に取り組むようになり、取り組む団体や農家が増えてきて、全体から見ればかなり少ない割合ではあるが近年は国産紅茶が増えてきている。
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