サントリー「BOSS」が映す容器コーヒーの大変遷 「発売30年」平成→令和で飲まれ方はこう変わった

拡大
縮小
ペットボトルで商品展開する「クラフトボス」シリーズ。右側は割って飲むタイプだ(筆者撮影)
この記事の画像を見る(9枚)

長引くコロナ禍で在宅勤務が一般的となった。職種やその日の仕事内容によって異なるが、同僚や取引先と対面ではなく、画面越しでやりとりする人もいるだろう。

仕事の合間に欠かせないのが、何かを飲んで一息つく行為だ。市販の清涼飲料を楽しむ人も多い。そこで、今回は缶やペットボトルなど「容器入りコーヒー」に焦点を当ててみた。清涼飲料全体の中で、コーヒーは日本茶に次ぐ市場規模があり、リモートワークの息抜きでも人気だからだ。

実は、平成初期と現在では飲まれ方が変わっており、働き方とも関わっている。どんな変化があったのか。「BOSS」ブランドを持つサントリー食品に話を聞きながら考えた。

2019年まで堅調だったコーヒー飲料だが…

まずはコーヒー飲料の現状を聞いてみた。

「コーヒー飲料全体では2019年まで堅調でしたが、コロナ禍で外出機会が減り、自販機需要を中心に数字が落ち込みました。2021年後半から回復しましたが、まだ数字は前年並みです。一方、2021年のBOSSは好調で対前年比103%。昨年3月のクラフトボスのリニューアルもうまくいき、累計販売本数は30億本(2021年8月末)を突破しています」

「BOSS」グループ責任者の大塚匠さん(サントリー食品インターナショナル SBFジャパンブランド開発事業部課長)はこう説明する。

もともとコーヒー飲料で首位だったのは「ジョージア」(日本コカ・コーラ)で、代表する商品が缶コーヒーの「ジョージア エメラルドマウンテンブレンド」だ。

だが近年は「BOSS」が猛追。ここ数年は抜いたり抜かれたりを繰り返す。BOSSは2017年から販売する「クラフトボス」が好調で、ブランドの上乗せを果たした(最新の数字は下表)。

(外部配信先では図表や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

「BOSSは1992年の発売以来、ブランドコンセプトに“働く人の相棒”を掲げていますが、クラフトボスが掲げるのは“現代の働く人を快適にする新しい相棒”です。コーヒーの香りがありながらすっきりした味わいで、世代や職種を超えてご愛飲いただいています」(同)

次ページ発売30年を迎えたBOSSブランドの取り組み
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT