サントリー「BOSS」が映す容器コーヒーの大変遷 「発売30年」平成→令和で飲まれ方はこう変わった

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ホット飲料も大容量化、使い分けが進む

冬の寒い日を癒してくれる温かい飲料──。近年はホット用のペットボトルも500ミリリットルの商品が出てきた。逆に、来客向けに小容量(200ミリリットル未満)のペットボトルが人気とも聞く。こうした傾向にはどんな理由があるのか。

「都市部では、昔ほど冬が寒くないのもありますが、オフィスでも在宅でも、ちびだら飲みが浸透しており、500ミリリットルが重宝されます。もともとホット飲料は冷める前に飲み切りたい意識がありましたが、最近の消費者はそこまで気にしない。冷めてもおいしいホット飲料も増えました。一方、小容量は提供しやすく、飲み切りやすいのです」(大塚さん)

商品開発時には、長距離トラックの車内に同乗させてもらい、車中で働く人の環境も調べたという大塚さん。そこで得た結論は「長時間過ごしやすいように工夫した、自分の部屋感覚」だった。「BOSSブランドが、どんな相棒として寄り添えるのか」を思案したという。

自室感覚は在宅勤務の消費者意識にもつながりそうだ。

「家庭での飲用」が過去最高値に

全日本コーヒー協会が長年発表する「コーヒーを飲む場所」別調査では、昔から「家庭での飲用杯数」が圧倒的だったが、最新の2020年は過去最多数値となっている。

コロナ禍で「うちカフェ」という言葉も浸透した。容器コーヒーの存在感も増している。閉塞感が続く時代、次はどんな商品を手にして気分転換を図るのだろうか。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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