見城徹×藤田晋「仕事と人生に効く」熱狂対談 圧倒的努力を積み重ねろ、おごり高ぶるな!
見城:藤田君が今度出す『運を支配する』(幻冬舎新書)に書いていることでも、一貫しているのは「水を張った洗面器から先に顔を上げたやつが負ける」ということ。それは忍耐と通じるよね。
藤田:顔を上げたらそこでゲームオーバー。
見城:仕事って、どれだけ我慢に我慢を重ねてやり切れるか。簡単に正面突破なんかできないし、正面突破はできる、できないじゃなくて、やるか、やらないかだけなんだよ。どんなに苦労してでも正面突破してやろうと決意した人が、横道に逃げないで、自分に言い訳をしないで、耐えて、耐えてジリジリと匍匐(ほふく)前進して、ようやく100分の1ぐらいの確率で正面突破できる。
藤田:幻冬舎という会社自体が、正面突破しましたよね。新しい市場があるわけでもないなかで、尋常じゃない努力でもしない限りは今の地位を築けなかったと思います。見城さんは「売れる本を作る」という極めてシンプルなことに正面突破をし続けて来たということですよね。
正面突破するためには、圧倒的努力しかない
見城:正面突破するためには、圧倒的努力をせざるを得ないんです。例えば、2カ月半後に松本清張に会えることになったとする。清張には250冊の作品がある。恐らく、ちゃんと時間を取ってはくれませんよ。その時に、15分ぐらいで「こいつと仕事してもいいな」と思わせるためには、やるべきことから逃げちゃダメでしょう。僕は2カ月半の間に250冊を読んで、清張が何を言っても全てに応えられるようにしたい。それが圧倒的努力です。
もし2カ月半をかけて250冊読み切ったならば、ものすごく晴れ晴れしい気持ちで原稿を頼みに行けるよね。もちろん圧倒的努力をしても結果が出なきゃダメ。だけど『運を支配する』で桜井さんと藤田が「ゾーン」と呼ぶ状態に脳が入れば、自分でも思ってもみない結果が出ると思う。
藤田:自分の欲が取れて、肩の力が抜けている無我の境地のような状態ですね。
見城:今思うと、これまでうまくいった仕事は、ことごとく圧倒的努力によってゾーンに入っていたんだよね。五木寛之さんと仕事をしたくて、どんな長い書下ろしでもエッセイでも対談でも、とにかく世に出て5日以内に感想文を送ろう、しかも新しい発見と刺激を与えられるような内容にしたいと決めて、僕はそれを25通やったよ。これもゾーンだと思う。それが『大河の一滴』という270万部売れた作品に結実するわけです。
藤田:LINEに勝つのはもう無理だって僕らも思い込んでいたけど、755も圧倒的努力をすれば正面突破できる可能性があると感じました。
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