中国のコロナ感染拡大止まらず、過去最多に接近 都市封鎖や集団検査使わず、感染抑え込みは手探り

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中国で新型コロナウイルス対策の制限措置が急速に広がり、国内経済の2割近くに影響が及んでいる。中央政府は感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策をより的を絞った形で運用し、混乱を抑えるよう求めているが、それに反する動きが続いている。

21日の本土新規感染者は2万7307人。上海を中心に急増していた今年4月に付けた過去最多の2万8973人に近づいている。製造業が集積する南部・広東省広州市が感染拡大の中心となっており、同省の21日の新規感染者(8588人)のうち大半を占める。また、直轄市の一つである重慶市では感染者が新たに6297人に上った。

中国のゼロコロナ、今後の展開探る-未確認情報にも飛びつく金融市場

封鎖された北京市内の住宅区で防護服姿の担当者(11月21日)Source: Bloomberg

中央政府は1週間余り前にゼロコロナ政策の緩和と位置づけられる新たな指示を出したばかりだが、感染拡大が止まらず、地方当局は大都市での検査拡充のほか、オフィス閉鎖や学校の休校など措置を再び導入している。

野村ホールディングスのアナリストらがまとめたデータによると、上海などに以前講じられた市全域のロックダウン(都市封鎖)は今回見られないものの、計48都市が何らかの地区レベル、または幅広い移動制限の対象になっている。

これは中国の国内総生産(GDP)の5分の1近くに影響を与えていると、野村HDの中国担当チーフエコノミスト、陸挺氏らは分析。ゴールドマン・サックス・グループの実効ロックダウン指数(ELI)もこの数週間で上昇した。

 Source: Bloomberg

国営新華社通信によると、コロナ対策を指揮する孫春蘭副首相は21日に重慶市を訪れ、感染の抑制ならびに流行による経済や日常生活への影響を最小限とするため「果断な」措置を求めた。

地方の当局者はこれまでのロックダウンや集団検査といった手段を使わず、感染をどう抑え込むのか手探りを余儀なくされている。感染を制御しつつ、日常生活への影響を最小限にとどめることが目的だが、こうした緩和策が実行される兆しが表れると、当局がコロナ感染再拡大への容認姿勢を強めているのではないかとの戸惑いも招いている。

このジレンマは、北京からも近い河北省石家荘市で最も顕著に表れている。同市の手法はゼロコロナからの移行に向けた潜在的な先行指標として注目されていた。集団検査など幾つかの基本的な政策を取り下げ、生徒の登校も認めた後も、1日当たりの新規感染者は減少していた。

だが、週末の感染急増を受け、市当局は21日から自宅にとどまるよう住民に求め、事実上のロックダウンに逆戻りした。中国がゼロコロナ政策を意味のある形で転換する上で直面する難しさが改めて浮き彫りとなった。

厳格な「ゼロコロナ」に結局回帰-制限撤廃の観測もあった石家荘市

週末に約半年ぶりの死者を出した北京市のコロナ新規感染は21日に1426人。トップの尹力市共産党委員会書記はゼロコロナを堅持し、感染急増に歯止めを掛けるよう地元当局者に呼び掛けた。

北京市内の休業中の店舗(11月21日)Source: Bloomberg

原題:China Sees Lockdowns Surge in Week Since Covid Policy Adjusted(抜粋)

(情報を追加し更新します)

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著者:Bloomberg News

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