アプリリア「RSV4・1100Factory」300km/h超の世界 メーカー公表値の最高速度305km/hは出るのか

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メーター読みで300km/hを超えたところからRSV4・1100Factoryの本領発揮で、1100ccのトルクと不等間隔爆発エンジンの高いトラクション性能を生かしながら、高速ハイバンクへの進入速度を上げていった。

今回の計測は、マシンのメーターに表示された数値(いわゆるメーター表示速度)に加え、路面に貼った2本のテープの通過時間から速度を割り出す正式な計測も実施。5周の連続計測を2回行い、メーター記録で327km/h、計測テープ式区間平均速度で309.7km/hという最高速度であった。現代のスーパースポーツは、エアロデバイスによってタイヤグリップ力の向上を図っているが、一方で空気抵抗になるという悩ましい問題がある。そのために最高速を稼ぐためには、どうしても空気抵抗に負けないエンジン出力が求められる。

メーカー公表値の305km/hをクリア

メーター
メーターに記録された最高速は327km/hだった(筆者撮影)
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今回のテストは、完全な市販状態での走行であり、メカニックの帯同もない。普通に公道を走れる状態のまま、高速周回路に入ったようなものだ。保安部品やナンバープレートもついているので、そのまま帰宅することもできる。そんな市販状態でトライした最高速テストの数値としては、計測テープ式区間平均を含め優秀な結果といえるだろう。メーカー公表値の305km/hは無事クリアできた。

空気抵抗値は、速度に対して2乗に比例することを考えても、300km/hを超えて加速フィールに衰えを感じなかったし、事実として最高速度で実証された。この数値は、国内最大級のテストコースでの結果であり、もし、これ以上の最高速度確認をするのであれば、次はアメリカのユタ州で開催されているボンネビル最高速チャレンジに挑むしかないだろう。

2輪・4輪問わず、技術革新によって飛躍的にパフォーマンスがアップしたが、それでも300km/hが出るマシンは数少ない。さらにレーシングマシンではなく、公道走行可能な市販状態であり、1112mの直線区間しかないJARIでの記録となればなおさら数は絞られるだろう。今回は、市販状態でのパフォーマンスを確認する貴重なテストの機会になった。

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宮城 光 モータージャーナリスト

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みやぎ ひかる / Hikaru Miyagi

1962年生まれ。1982年鈴鹿サンデーオートバイレースに於いてデビュー3位。直後にモリワキレーシングと契約、1983年鈴鹿4耐で優勝、同年全日本F3クラスとGP250クラスに於いてチャンピオン獲得。1984年全日本F3クラス、F1クラスチャンピオン獲得。1988年HondaのHRCと国内最高峰GP500ccライダーとして契約。1993年より活動の場をアメリカに移し、全米選手権でチャンピオンになるなど、日本だけでなく海外でも活躍。1998年からは国内4輪レースでもその才能を発揮し、翌年の「4輪スーパー耐久シリーズ」ではチャンピオンを獲得する。また、世界耐久選手権シリーズ・鈴鹿8時間耐久ロードレースでは2003年より5年間ホンダドリームレーシングの監督を務めた経験ももつ。2016年には米国ボンネヴィルにおいて4輪車の世界最高速度記録を達成、世界記録保持者。開発車両ではTeam無限のマン島TT参戦車両・2輪電動マシン「神電」の初期からの開発ライダーを担当し2018年時点で5連勝中、2019年もチャレンジする。一方では、警視庁及び企業向け交通安全講話やライディング&ドライビング講師、専門学校講師などのほかに、 日本テレビのMotoGP解説者や雑誌などのメディアでレースやバイクの解説を務めるなど、多方面で活躍中。ホンダ・コレクションホールではホンダ歴代の2輪4輪グランプリマシンの維持管理テストレーサーを務める。無類のラジコン好き。

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