バブル期を超える勢いも「不動産価格高騰」の正体 コロナウイルスが生み出した新たな需要の背景
最後に空き家問題について触れたいと思います。
日本の不動産業界には空き家問題が大きくのしかかっています。総務省が2018年に実施した住宅・土地統計調査では、日本の空き家率(住宅総数に占める空き家の割合)は13.6%。全体の7戸に1戸が空き家となっている計算で、空き家は増加傾向をたどっています。
1950年以降最大の落ち込み
これに加えて人口減少の問題があります。総務省が公表した人口推計によると、2021年10月1日時点の総人口は前年比64万4000人(0.51%)減の1億2550万2000人でした。比較可能な1950年以降で過去最大の落ち込みで、人口減少が加速していることがわかります。
出国者数と入国者数の差し引きは、近年入国者数が多い「社会増」が続いていましたが、9年ぶりに出国者が上回り、3万5000人の社会減でした。また、人口が増加したのは沖縄県だけで、残りの46都道府県は減少しています。
当然ながら、人口の減少に伴って不動産の需要は明らかに減少すると思われるので、出口戦略を見誤ると不動産は完璧に「負動産」になりかねません(参考「人口推計」2021年10月1日現在)。
例えば、空き家再生というビジネスは、社会貢献もできる不動産投資といわれています。安価な空き家を購入し、リノベーションして第三者に貸すというスキームですが、空き家の建物リスクをきちんと把握しておかないと、購入価格は安価でもリノベーションに莫大な費用がかかる可能性もあります。
毎月の家賃が5~6万円の物件でも、リノベーションも含めた購入コストが高くつけば厳しい不動産投資になります。下手すると売却できないというケースも想定されます。そうならないためにも、不動産投資をする場合は、計画性をもって行うことが大切です。
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