バブル期を超える勢いも「不動産価格高騰」の正体 コロナウイルスが生み出した新たな需要の背景
人材派遣会社のパソナが兵庫県の淡路島に本社機能の一部を移転したニュースは記憶に新しいところですが、ほかにも京都市と高崎市に一部組織を分散するトライアルを行うと発表したNTTなど、企業が都心から地方に移転する現象も起こっています。
信用調査会社・帝国データバンクによると、2021年に本社または本社機能を移転した企業は全国で2258社。このうち、東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏から地方へ移転した企業は過去最多の351社で、首都圏への転出入企業数でみると転出が転入より23社多いことがわかりました。拠点を地方に移せば、その地域で新たな雇用が生まれますし、賃貸や売買などの不動産の需要も増えます。
コロナ禍でも不動産価格は上昇
以上のように、リモートワークや郊外への移住などの社会変化により、不動産市場は活況を呈しており、不動産価格の上昇はバブル期を超える勢いです。
国土交通省は、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに、全国・ブロック別・都市圏別に不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」を毎月公表しています。2022年6月分と1年前の2021年6月分と比較すると10ポイントも上昇しており、不動産価格の上昇傾向が続いていることがわかります。
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